平素は、阪急電鉄をご利用いただき、誠にありがとうございます。
当社では2006年に安全管理規程を定め、運輸安全マネジメントを導入いたしましたが、それ以来、PDCA(P:計画、D:行動、C:確認、A:改善)サイクルの活用により、安全管理体制をより確実なものとするとともに、鉄道輸送の安全性向上に必要な施策を確実に把握し、実行してまいりました。
この安全報告書は鉄道事業法第19条の4項に則り、当社の安全確保に向けた取り組みを毎年公表するものですが、今回は2012年度における当社の取り組み内容を中心にご説明させていただいております。
2012年度におきましては、列車非常停止ボタンの設置を中心とするホームにおける安全性向上対策、新造車両9000系の導入、高架橋や駅等の耐震補強工事の推進、ATS(自動列車停止装置)の改良をはじめとするハード対策を実施するとともに、駅間に停止した列車からの避難誘導訓練、事故再発防止対策の精度を向上させる事故分析手法の講習、薬物乱用防止の講演会等のソフト対策にも力を入れ、社員の技能・資質の向上に努めてまいりました。
また、2013年度におきましても、PDCAサイクルの前の「See-Think」のステップを確実に実行し、正確な現状把握に基づき、必要な施策を考えることで、鉄道輸送の安全性のスパイラルアップを図っております。
なお、一昨年6月に西宮車庫において入換信号の停止信号を冒進し、ポイントを損傷させた件につきましては、再発防止策として、同車庫に停止信号を見落しても、ATSにより車両を自動的に停止させるシステムを導入いたしました。引き続き、正雀・桂車庫への導入を進めてまいります。
皆様におかれましては、本報告書をご高覧いただき、忌憚のないご意見、ご指導をお願いいたしますとともに、引き続きのご愛顧を賜りますよう重ねてお願い申し上げます。
阪急電鉄株式会社 取締役社長
中川 喜博