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vol.12 伝統と革新が共存する町 西院駅周辺へ
※掲載スポットの内容は掲載時点(2015年5月中旬)のものです。料金やメニュー内容、営業情報は変更になる場合がありますので、事前にお確かめのうえお出かけください。


サイドロップ

懐かしさがつまった大人の宝箱
ファッションが専門のヒロコさんとインテリアに精通するけい子さん。それぞれに個性的な分野で活躍するおふたりが営むカフェ。老舗喫茶店から譲り受けたと いう昭和のテーブルセットが並べられていたり、古い電話やアンティークレースなどが店内に飾られていて見どころもたっぷり。昔からある素朴なカフェメ ニューを味わいながら、古きよき時代に想いを馳せてみましょう。
(左)今はなき、旧日本家具(ヤマハ家具)の書棚は縁取りのアーチの装飾が粋。大正時代のもので、100年後の今も豊かな表情を見せてくれます。ディスプレイされた小物はそれぞれにエピソードがあります。
(右)「幼い頃から食べなれたものをメニューにしたかったんです」との言葉通り、懐かしさの漂う「とろとろオムライス」800円。

繍匠 いながき
伝統を体感できる京刺繍の教室
着物や風呂敷、袱紗(ふくさ)など絹地に絹糸で模様を描く京刺繍。職人として伝統の技を守り続ける稲垣先生がお弟子さんと共に、その素晴らしさを伝えるのがこちらの体験教室。布を選んだら、先生が描いた下絵をたよりに好みの色糸を刺していきます。初めてで不慣れな場合でも、先生方がお手伝いしてくれるので安心。誰でもその日のうちに仕上げることができます。 体験教室8,640円。所要時間は2〜3時間ほど。上質な生地と絹糸で作ることができる。作品は桐箱(別売)に入れて持ち帰ることもできるのでギフトにもおすすめです。


(上)平糸とより糸の使い分けで表情が変わります。立体感や模様を自由に表現できるようになるには、少なくとも10年はかかるそうです。
(下)およそ25年前に刺したという、艶やかな蝶が舞う先生の作品。京刺繍は時を経ても全く色褪(あ)せることはありません。
Pagong本店

現代に息づく京友禅の手仕事
京友禅の染屋として大正8(1919)年に創業した亀田富染工場。着物から洋服への時代の変化と共に一時は着物の需要が減ったものの、蔵に眠っていた五千点を超える柄を蘇らせたいと、平成13(2001)年に京友禅柄のアロハシャツを提案。今ではカットソーやバッグなども展開しています。工場の敷地内に併設されたショップPagong本店にはこれらの品々が並び、雅な伝統柄と共に染色の技を今に伝えています。
一見ファッションに取り入れるのが難しそうな京友禅柄は、モノトーンのスタイルなどから挑戦してみましょう。個性的な柄も幅広くそろいます。「カットソー」各9,720円〜。
(上)仕上がりまでを一貫して行う職人のモノづくりの原点がここに。繊細な模様を表現するのに欠かせない色の配合も職人が手仕事で行います。
(下)24メートルほどの生地の上に、色ごとに分けられた版を重ねて図柄を表現する染めの行程。最大で20数回行うこともあるそう。同店では、配色を行い染色を体験できる「一日弟子入り体験(19,940円・要予約)」も実施しています。


フルーツの優しい甘さと繊細な口溶け「京友禅ミックス」324円。まるで本物!「おはじきのうた」324円
大文字飴本舗
毎年夏の送り火の日は左大文字が見えるという、西大路通に面した京飴の老舗。大正8(1919)年の創業以来、職人による直火の製法を守り続けています。飴屋さんは元来、原料となる水あめを仕入れて飴づくりしますが、良質な水あめを作りたいと、近年こちらのお店では水あめづくりも手がけられています。色とりどりの雅やかな京飴は見た目も美しく、贈り物にもしても喜ばれそうです。

「塩キャラメル」と「プレミアムチョコレート」ダブル550円(シングル350円、トリプル750円。いずれもカップ、コーンを選択可)
カフェラッテ
イタリア出身のエディーさんと奥様が営むバルスタイルのジェラテリア。イタリア北部のベネト州にある老舗で修行を重ね、秘伝のレシピを受け継ぎました。日によって少しずつ変わるメニューの中には、ナッツやチョコのほか一保堂茶舗の茶葉を用いた京都らしいフレーバーがお目見えする日も。こだわりの素材が生み出す濃厚な味と口溶けは一度食べたらやみつきになること間違いなしです。

「旬野菜カレー」600円(鱧フライ150円をトッピング)
太陽カレー
フレンチレストランのように洗練された空間でいただけるのは、ワインソムリエの資格をもつオーナーの手がけるカレー。白ワインを入れて炊き上げた大粒のお米に、赤ワインで仕上げるとろとろのルウが溶け込みます。素材ごとに丁寧に仕込まれた大原の有機野菜がたっぷりとのった「旬野菜カレー」は、甘さの中にしっかりと存在感のあるスパイスが薫る、大人のためのカレーです。

「盛り合わせ」540円(単品は一皿410円)。ポテトサラダなど常連さんのみぞ知る裏メニューもあり。
布
近所の常連さんが足しげく通う居酒屋さん。京都中央卸市場で仕入れる野菜や新鮮な魚を用いた京のおばんざいが並びます。まずはその日のメニューを一度に楽しめる盛り合わせをオーダーしましょう。炊き合わせや和え物など、お酒によく合うおばんざいは、地元のサラリーマンや女性客に大人気。気さくなスタッフと会話を楽しみながら、西院の夜を過ごしてみてはいかがでしょうか。