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vol.76 阪急電車の心臓部、正雀駅の意外な一面を探る
束のように集まる線路に、続々と乗り入れる阪急電車たち。車庫、工場、教習所と、阪急電車の主要施設が集まることから、正雀駅は阪急電車の心臓部とも呼ばれています。下町情緒が漂う駅界隈には、ユニークなお店がちらほら。2019年に移転した国立循環器病研究センターの周辺で雰囲気が一変するのもおもしろいですよ。
※掲載スポットの内容は掲載時点(2020年10月下旬)のものです。料金やメニュー内容、営業情報は変更になる場合がありますので、事前にお確かめのうえお出かけください。


旧中西家住宅(吹田吉志部文人墨客迎賓館)

和と洋が融合するモダンな邸宅
正雀駅から北へ歩くと、古い日本家屋が点在する閑静な住宅街にたどり着きます。その中でもひときわ目を引くのが、江戸時代に大庄屋を務めていた中西家の屋敷です。平成18年まで実際の住まいだったため、一部が改築されていますが、和の要素を生かしたモダンなリフォームはセンス抜群。部屋を飾るインテリアもこだわりの逸品ばかりで、美術館のように楽しめます。

粋な作庭に中西家のセンスを知る
庭園においても、中西家の独自のセンスが光ります。特に珍しいのが、地面を2m近く掘り下げた技法。実はこの一角は、窪みから松や楓を見上げて深山幽谷の気分を味わうために作られたもので、窪地で野点を開催することもあったのだとか。また、中西家は文化人との繋がりも非常に強く、屋敷には数々の美術品が所蔵されています。春と秋には、ふだん非公開の離れ座敷・茶室内部とともに、貴重な所蔵品も公開されるので注目を。

JOCA大阪

路地裏に現れる地域の憩いの場
築50年の文化住宅をリノベーションしたセルフサービスのカフェに、ご近所さんが続々と集まります。実はこちらは、青年海外協力協会の大阪事務所。代表の河合さんは「まるで東南アジアのように、地域住民が繋がりあう場所を作りたい」と志し、事務所の移転先を、数ある候補の中から下町情緒が漂う正雀に決めました。誰でも自由に使えるので、近くに来た際はぜひ。

Cafe&Bar cross B

駅前ビルの一室で人脈がcross
明るい人柄のマスターは、音楽ライブ、街コン、作品の展示会と、お店を拠点に数々のイベントを開催してきました。それらを通じてお客さん同士が仲良くなるのも日常茶飯事。一方、ゆったりしたテーブル席を活用して、女子会が開催されることも多く、名前の通り、多様な客層がcrossしているお店です。窓から阪急電車を眺められるのも、このお店の大きな魅力。


ちまたで噂の麻婆豆腐に舌鼓
四川屋 一創
正雀駅ユーザーが口を揃えて「旨い」とうなるのが、こちらの麻婆豆腐。店長は横浜の中華街で修業を積み、幾種類もの香辛料を配合してこのメニューを完成させました。ポイントは四川山椒一つをとっても、粉末、焦がし、油…複数の加工で使うこと。たっぷりの肉と豆腐を絡めた餡を頬張ると、芳醇な香りが口いっぱいに広がり、後から辛さが追いかけてきます。かなり大盛りなのでご注意を。

常連に愛される居酒屋さん
呑み食い処 鉄ちゃん
大阪学院大学の目の前で、バイクが屋根の上に乗った不思議な居酒屋さんを発見。のれんをくぐると、マスターである「鉄ちゃん」の素敵な笑顔が現れます。メニューは新鮮な海鮮のほか、天ぷらや焼き物、ちょっとしたおつまみなど、かゆいところに手が届く品揃え。1階にカウンターとテーブル、2階に座敷席があるのも便利。一度入れば、その居心地の良さに、ついつい通いたくなるはず。

密かに受け継がれた正雀のパンの味
フレッシュベーカリー チャーミーワン
正雀で数少ないベーカリー「ムッシュ」が、名前を変えてプチリニューアル。その舞台裏には、約30年のベテランパン職人から、20代の若手職人へのバトンパスがありました。二人を繋いだのは10年以上パート勤務を続ける、現店長のお母さんです。先代の丁寧な手ほどきを受けながら、チャーミーワンでは新商品が次々と生まれています。正雀で愛され続けるパンの味をご賞味あれ。

もちもち生タピオカがクセになる
生タピオカ専門店 SHANTI
正雀駅に新登場した、おしゃれカフェスポット。テイクアウト専門で、タピオカドリンクを販売しています。お店の売りは、台湾産の生タピオカに、黒糖と三温糖の2種類を用意していること。トッピングも加えると、幾通りもの味が楽しめます。タピオカの原料はキャッサバというイモの一種ということもあり、カップ一杯でおなかいっぱいに。スイーツ感覚で楽しみましょう。