中国人スタッフ:
表 紅麗(ひょう こうれい)
今日は標高466メートルの大文字山に登ります。大文字山はご先祖様の精霊を送るといわれる伝統行事「五山の送り火」として有名な山。8月16日の夜には、山頂付近の火床に火が灯され「大」という字がくっきりと浮かぶそう。今日は「大」の字の3画が交わる「金尾(かなわ)」と呼ばれる火床を目指して登ります。そこからの眺めは絶景だそうで、とても楽しみにしています!
12時過ぎに阪急河原町駅に到着。前日の台風の影響を心配していましたが、駅を出ると空は快晴で、蒸し蒸しするほどの暑さでした。河原町駅から市バスに乗って約30分、大文字山の入山口近くの「銀閣寺前」に到着。まずはお腹が空いていたのでレストランを探すことに。今出川通り沿いの住宅街を歩いていると、大きなスペインの国旗が掲げられたお店を発見しました。本格スペイン料理を味わえる名店「ティオぺぺ」です。早速中に入ると、ご姉弟でお店を営まれているスペイン人オーナーにお出迎えいただきました。店内はうちっぱなしのコンクリートの壁に、ピカソの絵画風の作品やバロック調のお皿が飾られてあり、雰囲気はまるでヨーロッパ。また窓際の小さなステージには、ギターやピアノがセッティングされてあり、金曜日になるとスペイン人や地元の人達がライブを行うそうです。料理はオーナーオススメのシェフランチコースを注文。前菜のサラダ、冷やしトマトスープ、ヤリイカの墨煮込み、イベリコ豚の鉄板焼きと豪華な料理が次々と運ばれてきます。お昼からコース料理なんて贅沢な気分。メインディッシュの鉄板焼きを食べ、もうお腹いっぱいと思っていると最後に魚貝のパエリヤが登場。お腹はもうパンパンでしたが、お焦げが美味しく、ついつい食べ過ぎてしまいました。ボリューム満点のスペイン料理に大満足!
住所 :京都府京都市左京区北白川久保田町52
電話 :075-724-3440
時間 :カフェタイム11時半~16時
ランチ11時半~15時(LO14時半)
ディナー18時~(LO21時半)
バルタイム21時~24時(LO23時半)
定休日:水曜日
シェフおすすめのランチコース2500円
(前菜、冷製スープ、サラダ、ヤリイカの墨煮込み、
イベリコ豚の鉄板焼き、魚貝のパエリヤ、コーヒーのセット)
今回初めてスペイン料理を食べましたが、トマトの酸味が効いているものが多く、ボリュームの割にはサラッと食べられました。酸っぱい料理といえば、中国の東北料理「猪肉酸菜(ジュロウドンサンサイ)」。「猪肉
」はポーク煮込み、「酸菜」とは漬けた白菜の意味です。酸味の効いたスープと豚肉の組み合わせが絶妙な料理で、よく家族と食べていました。黒竜江省(こくりゅうこうしょう)のレストランで食べられますので、お越しの際はぜひお試しください。
食事が終わると、いよいよ大文字山へ出発です。約1時間かけて山頂付近の火床をめざします。入山口が銀閣寺の近くだったので、大勢の観光客の姿がありました。銀閣寺の山門前から左に曲がり、北に向かって進むと突き当たりに八神社の鳥居があります。そこを左に曲がると、登山道が見えてきました。台風18号の影響か、木が倒れていたり地面が泥まみれでぬかるんでいたり、今日は非常に歩きにくい山道。それほど急斜面ではありませんでしたが、足元が悪かったせいか、少し登っただけでかなり疲れました。しばらく進むと、3メートルほどの小さな橋があり、その橋を渡ると本格的な"登山道"に入ります。今までとは異なり、狭く険しい急こう配の道。ヘトヘトになりながら登っていくと、道も開けてきました。いよいよ山頂か!と思っていると、てっぺんが見えないほど続く急こう配の階段。登れば登るほど、どこまで続くんだろうと不安になってきました(涙)。
大文字山
住所:京都府京都市左京区
時間:通年

大文字山登り口

急こう配が続きます。
大学時代に中国で最も有名な山「泰山」に登ったことがあります。標高は1500mほどですが、日本でいうと富士山のような存在。中国三大宗教「道教」の聖地として最も尊い山といわれ、中国では人生の中で一度は登っておきたい山と言われています。途中まではバスとロープウェイで行き、ラスト1/3くらいを自力で登山します。山頂にはホテルやレストラン、お土産店など、いろいろなお店があります。山道も石段が整備されており、大文字山よりは登りやすい山だと思います。
大パノラマが広がります!(中央奥に見える大きな緑が京都御所だそうです)
心臓破りの階段を真っすぐに進んでいくと空を覆うように生えていた木々も少なくなり、徐々に日差しが差し込んできます。階段を登りきると、急に開けた場所があり、そこからは京都市内を一望できる大パノラマ。眼下には京都大学や京都御所、上賀茂神社、前方には愛宕山(あたごさん)など、山に囲まれた京都盆地を一望できる最高の眺望です。苦労して登ってきた甲斐があったと、今までの疲れが一気に吹き飛びました。ちょうどこの場所は「大」の字の3画が交わる火床で、送り火の薪を燃やすための遺跡のような石組みが設置されています。私たちの他にも10人ほどの登山客が疲れを癒すために、思い思いに休憩する姿が。私も20分ほど絶景を楽しんだ後、下山をすることにしました。斜面に伸びる"大の字の左払い"沿いに階段があり、その階段から下山。大文字山には、登り・下りとも様々なルートがあるそうで、行きと帰りで違った景色を楽しめます。登りとは違い比較的スムーズに下山することができ、山のふもとのカフェでひと休みして無事帰ることができました。


送り火の時に火を灯すための「火床」。

大の字の左はらいの火床沿いの階段から下山
中国にはご先祖様を供養するために、清明(シーミー)祭という行事があります。日本のお盆は8月ですが、清明祭は4月。家族や一族が墓を掃除し、果物やご馳走を供え、死者があの世で使うためのお金「紙銭」を燃やすという催しを行います。また、花がたくさん咲くこの季節ならではの楽しみとして、家族で郊外を散策する習慣もあり、その昔「清明祭」のことを「春游(シュンユウ)」「探春(タンシュン)」「踏青(ターチン)」などとも呼んでいたそうです。
今日はスペイン料理に始まり大文字山の登山と、初めて体験することばかりでした。スペイン料理では親切なオーナーご姉弟が丁寧におもてなしをしてくださり、豪華なコース料理を堪能。登山に関しては、幼い頃から家族みんなでよく登っていたので楽しみにしていたのですが、久しぶりに登ると思った以上にしんどかったです(笑)。しかし、あのような高い場所から京都を一望するのは初めての経験で、とても良い思い出になりました。
表 紅麗(ひょう こうれい)
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