
京都の南西・大阪の北東、2府のちょうど中間地点に位置するのが山崎。ここは天王山の麓であり、桂川・宇治川・木津川の3川が合流する、自然の豊かなエリアです。今日は、その特性を活かした美術館やウイスキー工場を訪ねました。
阪急大山崎駅から徒歩約3分。西国街道にある「レストラン タガミ」は、この界隈でもパッと目をひくオシャレな雰囲気のお店です。白を基調としたさわやかな店内は、高級感もあり、親しみも感じられる印象。母娘や奥様グループなど、女性同士のお客さんが多く、少し緊張しちゃいました(笑)。料理は平日限定の「マダムランチ」をオーダー。オードブルから始まり、デザートまで楽しめるちょっぴり贅沢なコースです。この日のメニューは、カリフラワーのポタージュ、奥出雲ポークを使ったフェットチーネ(パスタは2種類から選択)、サーモンと赤エビのポワレでした。実は、ポワレにかかったバジルソースがポイント!大山崎で採れたエゴマの葉を使用した、地元出身シェフならではのアイデアが隠されています。フレンチの技術とイタリアンをミックスさせたオリジナル料理に大満足。甘いものが大好きな私は、食後のデザートまでしっかり堪能。おいしい料理と素敵な空間に、いつの間にか"マダム気分"に浸れる、優雅なランチタイムでした。
- マダムランチ(平日のみ)2,180円
住所:京都府乙訓郡大山崎町大山崎竜光53-1
電話:075-951-5081
営業時間:11:30~15:00(ランチタイム L.O.14:30)
18:00~22:00(ディナータイム L.O.21:30)
定休日:月曜日※火曜日はディナータイム休み
韓国は「コーヒー王国」とも言われるほど、コーヒー好きな人が多い国です。2005年ぐらいから韓国でコーヒーショップが続々とでき始め、コーヒーブームが本格化。1999年に1号店が誕生した「スターバックスコリア」の店舗数は、今では400を突破したほどです。一方で、紅茶の人気はいまひとつ。実は、日本に来るまで紅茶を飲んだことがありませんでした。今ではコーヒーと同じぐらいよく飲むようになり、今日もデザートと一緒に紅茶をいただきました。
「レストラン タガミ」からJR山崎駅の方へ10分ほど歩き、天王山を中腹まで登ると「アサヒビール大山崎山荘美術館」が現れます。木々に覆われた英国風の洋館は、美術館と思えないほど親しげな雰囲気。元は実業家の加賀正太郎氏が約100年前に建てた山荘で、入口の暖炉や浴室など、当時の暮らしをイメージさせるものが残っています。つくり手の感性が反映された館内のデザインは、見どころが満載。例えば、真下から見ると平面なのに離れて見たら出っ張っているように見える付柱上部や、表と裏で色が変わるステンドグラスなどがあります。特に私が気に入った場所は、喫茶室として利用されているテラスです。スイス建築風の造りになっているテラスから望む景色は感動もの!桂川・宇治川・木津川の3川が流れる様子が一望でき、春には桜、秋には楓が風景を彩るのだそう。この山荘のリニューアルと地中館の設計を手掛けたのが、建築家の安藤忠雄氏。近代建築と現代建築を一度に見られるこの美術館は、大学で建築を学んでいる私にとってすごく興味深く、とても勉強になりました。
- 当時のものとは思えない機能的なバスルーム
- まるでトリックアートのように立体的に見える付柱上部
住所:京都府乙訓郡大山崎町銭原5-3
電話:075-957-3123(総合案内)
営業時間:10:00~17:00(入場は16:30まで)
定休日:月曜日(祝日の場合は翌平日)、
年末年始、臨時休館日
入場料:一般900円/高・大学生500円/小・中学生無料/障害者手帳をお持ちの方300円
韓国には、100年ほど前に建てられた近代建物があまり残っていません。経済成長が著しくなり始めた1960年代頃から、古い建物は新装されていったそうです。近代建築が減っている中で、2011年に「文化駅ソウル284」(旧ソウル駅)が、1925年開業当時の姿を復元した形でリニューアル。1階天井のステンドグラスや2階化粧室に利用されている赤レンガの壁や木組みなどから、当時の建築を感じられます。韓国に遊びに行ったらぜひ訪れてほしい場所の一つです。
本日の締めくくりは、ウイスキーの製造工程を見学できる「サントリー山崎蒸溜所」へ。まず案内されたのが仕込み・発酵室。入った瞬間、甘い香りが鼻をくすぐり、思わず「おぉ!」と声をあげたほど(笑)。蒸溜室に移動すると、中にはさまざまな形をした「ポットスチル」という単式蒸溜釜が並んでいました。先端に膨らみがないストレートなものほど、蒸溜しても成分がそのまま残りやすく、重厚な味になるのだそう。釜の形によって味に変化が生まれるのには驚きました。そして蒸溜された原酒は、樽に詰められ貯蔵庫へ。ここには静かに熟成の時を待つ数多くの樽が保管されており、なんとも神秘的な空間でした。工場見学の後はお待ちかねの試飲タイム!私は「山崎」と「白州」を両方ともロックでいただきました。「山崎」は華やかさがあって甘く、「白州」はスッキリと爽やかな味わい。ウイスキーはもちろん、氷も山崎の名水でつくられたもの。氷を残すのがもったいなかったです。
- 製造工程を見学出来ます
- シングルモルトウイスキー「山崎」
おすすめの飲み方はハイボール
住所:大阪府三島郡島本町山崎5-2-1
電話:075-962-1423
営業時間:[ウイスキー蒸溜所ガイドツアー]
平日10:00~最終回15:00(1時間毎)、土・日・祝10:00~最終回12:00(1時間毎)[山崎ウイスキー館]10:00~16:45(最終入館16:00)
定休日:年末年始、臨時休館日
入場料:無料(ガイドツアーは要予約)
日本では、ウイスキーを炭酸水で割る「ハイボール」が人気ですが、韓国ではロックかストレート、もしくはコーラで割るのが定番。そもそもハイボールで飲む習慣がありません。ちなみに韓国では焼酎が人気で、飲み方はストレートが好まれます。お酒や食に関することで日本の文化に驚いたのは、食べ・飲み放題があること。このサービスは日本にしかないもので、おもてなしの精紳を感じられます。お酒が大好きな私にとって、本当にありがたく嬉しいサービスです!
日本の近代建築と現代建築がミックスした美術館と、歴史の深いウイスキー工場を巡りました。両方とも見どころがたくさんあって、一日ずつ時間をかけてゆっくりと見学したかったぐらい!特にサントリー山崎蒸溜所は、お酒に強い外国人は絶対楽しめる場所だと思います。阪急ツーリストセンターにお越しいただくお客さんにもぜひおすすめしたいです。
金 紋奭(きむ むんそく)
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