
李 準(い じゅん)
うどんは、誰でも手軽に食べられるものとして日本中で食べられていますが、私の故郷・韓国でもうどんは身近な食べ物です。
個人的にもよく食べるうどんを、もっと深く知るため、「うどんミュージアム」を訪ねました。
阪急河原町駅から祇園の方へ歩いて約5分。「うどん博物館」と大きく書かれた建物を発見!
2013年にオープンした「うどんミュージアム」では、京都に訪れるさまざまな地域・国の人々に「本当のうどんの美味しさを伝えたい」と、伝統と歴史がある各地のご当地うどんを取り揃えているのだそう。館内にはうどんのサンプルが壁一面に並べられた「うどん地図」や、うどんの歴史・ご当地うどんの特徴が書かれたパネルが掲示されているスペースがあり、うどんについてじっくりと知ることができました。
うどんの発祥が中国だということや、「策餅(さくべい)」というお菓子が麺のルーツになっていることなど、いつも食べているうどんについて、実はほとんど何も知らなかった自分が情けないとさえ思えてしまう瞬間でした。
小麦粉を原料とする平麺を使った麺料理。「カル」は「包丁」、「グクス」は「麺」を意味し、包丁で麺を切って作ることから名づけられたのだとか。出汁には、基本はアサリなどの貝類を使います。
見学を終え、お待ちかねの食事タイムへ!30種類以上あるご当地うどんの中から、大阪の「かすうどん」、秋田の「稲庭うどん」、そして群馬の「ひもかわうどん」をオーダー。大阪に住みながらも、かすうどんの存在を知ったのは実は今日が初めて。牛ホルモンの油かすの旨みが凝縮されたスープはあまりにも美味しくて、全部飲み干してしまったほどです。館長さんのオススメで日本三大うどんの1つである稲庭うどんは、のどごしが滑らかで、あっという間に完食!
そして、ひもかわうどんは、幅約10cm、厚み約1mmと、布のような形が珍しい人気メニュー。もちもちとした食感も面白く、見ても食べても楽しめました。
韓国料理の一つである冷麺には、さっぱりとした味つけの「水(ムル)冷麺」とコチュジャンを混ぜて食べる辛味の「ビビン冷麺」があります。水冷麺は平壌(ピョンヤン)、ビビン冷麺は咸興(ハムフン)地方が発祥となっています。
お腹を満たした後は、うどんや和食全般の味つけの基本であり、料理の旨みとなる出汁の飲み比べを体験。利尻昆布出汁、白ダシ、関西風出汁、関東風出汁、あご出汁、いりこ出汁の6種類を飲み比べて、私が一番美味しく感じたのは「あご出汁」でした。あご出汁の「あご」とは「トビウオ」のこと。昆布やカツオだけの出汁よりも上品で味わいが深く、出汁の中では高級品とされています。韓国にも出汁はありますが、日本に比べて種類は多くありません。日本食が味わい深いのは、出汁によるものだと感じられました。
また、デザートには京都祇園の名水を使用した「幻水涼餅(げんすいりょうもち)」をいただきました。限りなく透明に近い水菓子は、見た目にも涼やかで、食べてもひんやりと心地よい清涼感があります。口に入れると一秒で溶けてしまうほどやわらかく、きな粉と黒蜜との組み合わせも絶妙!甘いものが苦手な私でも完食してしまうほどの美味しさでした。
- ●日本全国 出汁の飲み比べ体験
- 料金:一般1200円(当日)※前日までの予約1000円
時間:平日15:00~、土日祝17:00~
電話:075-531-0888※要予約(当日予約可)
- ●幻水涼餅
- 料金:290円
販売期間:夏季限定(9月末日まで)14:00~
販売数量:1日20個限定
パッピンスの「パッ」は小豆、「ピンス」は氷水という意味で、韓国のかき氷です。大量の氷の上に、小豆あん、金時、果物、寒天、コーンフレーク、ナタデココや生クリームまたはアイスクリームなどをトッピング。見た目はパフェに近くカラフルです。
今まで食べてきたうどんがウソのように感じられるほど、うどんミュージアムで食べたうどんは美味しかったです。ツーリストセンターに来られるお客様にもぜひおすすめしたいと思います。
李 準(い じゅん)
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