
国内外から多くの観光客が足を運ぶ、京都屈指の観光地・嵐山。
新緑に抱かれながら、京都が誇る名物に触れられるスポットをご紹介します。
住所:京都市右京区嵯峨天竜寺造路町20-38
電話:075-881-5778
時間:9:30~18:00※扇子の絵付け体験の受け付けは16:30まで
料金:扇子の絵付け体験:白の扇面2160円、色付扇面2376円(送料込み※お届けは日本国内のみ)
定休日:8月31日
渡月橋から北へ歩みを進めると、華やかな扇子が飾られるショーケースが視界に飛び込んできます。こちらが扇子の老舗・伊藤常で、2階の工房で扇子の絵付け体験をすることができます。体験ではまず、扇面の色を白・ピンク・グリーン・ブルーの4色から選びます。職人さんの見本を見ながら何を書くか悩むこと数分。古代ローマの詩人の「今この瞬間を楽しめ」という意味の「carpe diem」という言葉と、嵐山の自然をモチーフにすることに。絵付けに使う道具は、水彩絵の具や色鉛筆といたってシンプル。鉛筆での下描きを終え、店員さんの「きれいに仕上げるコツは、絵の具を水で溶いてから紙にのせること」というアドバイスを思い出しながら、筆を走らせます。絵を描くのは久しぶりながらも、1時間ちょっとで絵付けは完成。この後、職人さんの手で仕立てられたものが自宅に届くそう。約1カ月後、完成した扇子を見るのが今から楽しみです!
嵐山をはじめ街全体が観光地の京都には、古い様式の木造建築がたくさん残っています。一方、韓国は昔ながらの建物はあまり残っていません。しかし、慶州(キョンジュ)の民俗村には、復元された昔ながらの家屋や民族博物館などがあり、韓国の伝統を感じることができます。
絵付け体験のあとは、店舗の1階で販売される扇子を物色!扇子の老舗とあって、普段使いの夏扇から、きらびやかな飾り扇子や舞扇子、冠婚葬祭に使う儀式扇子まで、多種多様な商品が並びます。ほかにも、うちわや、扇子を的に当てて遊ぶ江戸時代のゲーム・投扇興の道具などもあり、見ているだけで目の保養に。外国人観光客も美しい扇子に惹かれて次から次へと訪れるため、店内は大にぎわい。韓国にも扇子はあれど専門店に来たのは初めてで、せっかくだからと舞扇を手にとってみると、夏に使う扇子とは違ったしっかりとしたつくり。ぐっと力を入れても開けることができず、店員さんにコツを教えてもらってなんとか開くことができました。ほかにも、日常的に使う夏扇も紙製のものと布製のものとで仰ぎ比べてみると風量が違ったりと、扇子といってもさまざまなんだと驚きました。
韓国民俗村には生活様式や文化への理解が深まる展示のほか、さまざまな伝統工芸の制作工程を見学できる伝統芸術工房があります。こちらでは、うちわや甕の制作、染色などをすることができ、韓国の伝統工芸を存分に体感できます。
住所:京都市右京区嵯峨天龍寺芒ノ馬場町3
電話:075-872-0102
時間:11:00~17:00、※観光シーズンは10:30~18:00、花灯路期間中は~19:30(平日)、~20:00(土・日曜)
定休日:無休
次に向かったのは、大堰川沿いに立つ豆腐料理店。風情ある門をくぐって石畳を進むと、明治の日本画家・川村曼舟(かわむらまんしゅう)の庵を改装したお店が広がります。こちらの名物は、毎日手作りされるそば豆腐と抹茶豆腐。そこで、湯豆腐に先付けやニシンを炊いたもの、豆乳スープ、自家製のちりめん山椒がかかるご飯などがつく「雅」コースをオーダー。先付けの一品である生麩田楽のもっちりとした食感や、やさしい味わいの豆乳スープに満足感がつのります。メインの湯豆腐は、昆布出汁を張った鍋で3分ほど煮てから、豆乳だれや醤油だれに浸けていただきます。濃度の高い豆乳から作られる豆腐は、豆乳の味わいがしっかり。さらに、そば豆腐はそば特有のもちもちとした食感を、抹茶豆腐は抹茶のさわやかな苦味を楽しめました。湯豆腐を食べて思ったのは、素材の味に自信があるからこその食べ方だということ。食べ慣れた食材ながら、豆腐に新鮮さを覚えました。
韓国人にとって豆腐料理といえば、辛い豆腐鍋のスンドゥブ!
韓国の鍋料理には豆腐や野菜のほか、好みによって貝などが入れられます。もともと、豆腐自体に味がついているものはなく、湯豆腐のように豆腐だけを味わう鍋もありません。
扇子も豆腐も韓国でなじみのあるものながら、日本ならではの発展を遂げて京の名物となりえたのだと感じることができました。
金 紋奭
寺院・神社、店舗、施設等に関しては、掲載の各スポットへ直接お問い合わせください。