
盆地特有の熱気に包まれる夏、街の喧騒を逃れて洛西へ。 ほてった体をクールダウンさせる涼やかな甘味と、体にやさしい食をいただきます。
朝イチで目指すのは、桂離宮前にたたずむ「中村軒」。1883年に創業した和菓子の老舗で、店頭のショーケースには名物の麦代餅(むぎてもち)をはじめとする和菓子が並んでいます。暑い時季、こちらでは氷屋から仕入れた氷に特製のシロップがかかるかき氷を味わえます。定番のみぞれや宇治金時をはじめ、旬の果物をシロップにしたフルーツ氷など、メニューは10種以上。その中から注文したのは、京都らしい宇治の抹茶を使った宇治ミルク金時。透明な器からこぼれんばかりに盛られたかき氷には、粒あんや白玉がトッピングされていました。荒く削られた氷を口に運べば、抹茶の風味とともにレンゲはちみつの甘味がじんわり。追加のシロップも添えられているため、氷が溶けてきても最後まで抹茶蜜の味わいを楽しめます。また、むっちりとした食感の粒あんやモチモチの白玉が食べごたえを生み、味・ボリュームともに絶妙のあんばいでした。
近年、中国では台湾や香港のスイーツが大人気。 ひんやりスイーツの定番は、マンゴーがたっぷりのった台湾発のかき氷! ほかにも、タピオカ入りのミルクティーや芋で作るデザートなどがあります。 最近は、ドリアンやマンゴーで作るケーキも注目を集めています。
住所:京都市西京区桂巽町4
電話:0120-157-508※工場見学は要予約
時間:9:00~19:00、工場見学10:00~15:00、
ピッコロモンド・ヤマダ本店11:30~15:00(L.O.14:00)、
18:00~22:00(L.O.21:00)
料金:工場見学無料、ランチ代1944円
定休日:無休、工場見学は土・日曜日、
祝日、夏期休業日、ピッコロモンド・ヤマダ本店は水曜日
次に向かったのは、ごま油などを製造販売する「山田製油」。昭和の初めごろに、「世のため、人のためになる食べものを」という信念のもとごま油を作り始めて以来、変わらぬ製法でごま油を作り続けているお店です。良品を作るために一番搾りの油しか使わず、ごま油の不純物を落とすのにも手のかかる湯洗いという方法を取っているのだとか。見学ではまず、ごま油の製造を説明する映像を見てから、利き油に挑戦。焙煎の深さや、ごまの種類によって味わいや香りがこんなにも変わるのか、と驚きながら6種のごま油を順番に味わいます。その後、見学用の服と帽子を身につけ、製造現場へ。ごまの香りに包まれる工場で、石臼で挽かれたばかりの練りごまを試食したり、職人さんがつきっきりで焙煎をする様子を見たりと、妥協のない製品づくりを間近で見学できました。
中国のごま油の歴史は古く、三国時代までさかのぼることができるほど!
私の地元では、ごま油のことを「香油」と呼んでいます。
これは焙煎して絞ったものですが、中国では生のまま絞ったものもよく作られています。
見学を終えると、ちょうどランチタイムに!敷地内には、直営のイタリアン「ピッコロモンド・ヤマダ本店」があり、ごまやごま油などを使った料理をいただけます。ランチはコースのみで、前菜に米粉のパン、自家製のごまドレッシングがかかったサラダ、メイン、デザート、ドリンクがセット。メインは、ごま油やすりごまとともにいただくパスタか、ごまがたっぷりのるピッツァからチョイス。独特の風味があるごま油とイタリアンという斬新な組み合わせでありながら意外にマッチするため、どんどん食が進みます。見学に加え、こうして実際に口にすることで、いかにごまの用途が広いのかを実感できました。最後に、販売スペースをのぞくと、ごま油からふりかけなどの加工食品、ごま油を使ったコスメまで、さまざまなアイテムがズラリ。その種類の多さは、何をおみやげにしようか迷ってしまうほどです。
中国には、ごまやごま油を使った料理がたくさんあります。 たとえば、四川担々麺や武漢熱乾麺は練りごまが肝といっても過言ではないほど重要。もちろん家庭でもよく登場するほど、私たち中国人にとって欠かせない食材です。
日本で初めてのかき氷を京都の老舗で食べられて感動! また、ごま油を使うイタリアンも初めてで、 なじみのあるごま油の新しい魅力に気づけた1日でした。
朴 日花