
福をいただきに、商売繁盛の神様で人気の神社へ!参拝後は、祇園の隠れ家的サロンであったかスイーツを楽しみます。
河原町駅から鴨川にかかる四条大橋を渡って祇園へ。正月の飾り物で華やぐ店々を眺めつつ南へ進むと、紅白の提灯がかかる「京都ゑびす神社」の鳥居が見えてきました。社名の通り、こちらに祀(まつ)られるのはゑびす様。毎年1/8〜1/12の5日間に渡って十日ゑびす大祭が行われ、商売繁盛や家運隆盛を祈願しに多くの人が訪れます。期間中は、縁起物の福笹が授与されるほか、餅つきや東映太秦映画村の女優さんが訪れるなど、さまざまなイベントも開催。最終日にすべりこみ、まずは本殿で今年のお願いを伝えます。続いて本殿の横手の扉をトントンとノック。これは「ゑびす神社」ならではの参拝方法で、耳の遠いゑびす様に願いが伝わるよう肩をたたくように優しく叩くのが良いのだそう。初参りに加え、神聖な建物を叩くという初めてづくしの体験ができました。
新年のお祭りとして有名なのは、旧暦の1/15にある元宵節。夜には、日本のイルミネーションのように灯籠が飾られ、実にロマンチック!十日ゑびす期間、京都ゑびす神社のまわりも出店が立ち並ぶように、屋台が出て多くの人でにぎわいます。
参拝後は、七福神みくじにチャレンジ!七福神とは福の神として信仰される日本ではおなじみの神様たち。おみくじを引き、恐る恐る開いてみると…末吉でした。今年は落ち着いて、何事も慎重に取り組んでいこうと心に留め、結び木に折り畳んだおみくじを結びつけました。このおみくじはうれしいおまけもあり、小さな七福神のフィギュアが1個ついています。私が授かったのは、財宝や福徳開運の神様である大黒さん。幸多き一年になりますように!と、財布の中に大切にしまいました。最後に、鳥居のすぐ側で微笑みをたたえたゑびす様の石像に一礼し、ポカポカした気持ちで境内を後にしました。
日本では神社のおみくじで一年を占うように、中国では占いが生活において大切にされています。そのため、街中には過去や未来を占う手相や面相の専門店があり、人気の占い師のもとには行列もできるほどです。
住所:京都市東山区下河原通高台寺塔之前上ル金園町400-1
電話:075-551-3633
時間:11:30~17:00
休日:土・日曜、祝日、不定休あり
神社を後にし、次に向かったのは八坂の塔のすぐ側にあるカフェ「Salon de KANBAYASHI」。大正時代に建てられた邸宅の蔵を改装したというお店は、まさに隠れ家のような空間。ゆったりとした雰囲気の中、宇治茶の老舗「上林春松本店」の日本茶を楽しめます。席につき、ここでしか味わえないオリジナルブレンドの煎茶と抹茶白玉ぜんざいをオーダー。ぜんざいは、石臼挽きの香り高い抹茶「琵琶の白」がぜいたくに使用され、蓋を開けた途端にふわりとお茶の香りが立ち上るほど。温かい抹茶ミルクソースの中には、柔らかな白玉と煮栗、そして底には甘い小豆がたっぷり。食べ進めるごとに変化があり、まるで温かいパフェのよう。丁寧に入れられた煎茶と一緒にいただけば、香ばしさと旨味のある味わいが広がります。余韻にいつまでも浸っていたいほど極上の時間を過ごせました。
私の故郷で栗入りのあったかグルメといえばお粥です。寒い季節にやさしい甘味のお粥を食べると、体の芯から温まります。お粥は日常食で、米粥(砂糖粥)や、豆類など8種の材料を加えた八宝粥といった甘いお粥もあります。
福を授かる初参りでは福の神に、サロンでは幸福感に包まれるホットスイーツと日本茶に出会いました。一年の始まりに身も心も温まりました。
魏 暁娜