
ポップなのに和菓子のような味わいのわたがしと、漢字を楽しみながら学べるミュージアムという、祇園に誕生したばかりの2大スポットを訪ねます。
河原町駅から祇園方面に向かい、東大路通を南へ。安井金比羅宮あたりまで来ると、パティスリーのような外観の「JEREMY & JEMIMAH」を発見。こちらは2016年にオープンして以来、カラフルで巨大なわたがしが話題になっているお店。さっそく全9種あるフレーバーの中から、女性に人気という桜餅と京都らしい抹茶をオーダー。ワクワクしながら待っていると、カスタマイズされたドーム型のわたがし機に店特製のザラメが投入され、みるみるうちに形ができあがっていきます。仕上げに、桜餅には桜葉塩漬け、抹茶には京都産の抹茶パウダーがまぶされ、写真に撮りたくなるほどキュートな姿にテンションが上がります。一緒にもらったお箸で口に運ぶと、まるで桜餅と抹茶を食べているかのような味わい!チャック袋入りも用意しているので、おみやげに持ち帰りたくなりました。
中国にもわたがしがあり、作り方は日本のものとほとんど同じ。大きく違うのは、持ち手がコーンであること。全部食べられるから、ゴミが出ないんです。公園や遊園地のほか、市場やスーパーの出入口、学校の前などで売られ、特に子どもにとっては身近なお菓子です。
住所:京都市東山区祇園町南側551
電話:075-757-8686
時間:9:30〜17:00(最終入館16:30)
料金:大人800円、高大生500円、小中生300円
休日:月曜(祝日の場合は翌平日)、年末年始、臨時休館日あり
次に向かったのは、日本漢字能力検定協会が運営する「漢字ミュージアム」。中に入ると、5万字もの漢字で埋め尽くされた柱や、毎年12月に発表される「今年の漢字®」の大きな書の迫力に、思わず息を飲みました。まず、漢字の歴史をテーマにした1階を見て回ると、「踊る甲骨文字テーブル」という面白そうな展示が!その名のごとく、漢字のルーツとなる甲骨文字に関する展示で、テーブルの漢字に手をかざすと文字が踊りだし、甲骨文字へと変身します。ユニークな展示はまだまだあり、「万葉仮名」と「もとの字」というスタンプも用意されています。万葉仮名とは漢字の音読みや訓読みだけを使って、日本語の音を表記した漢字。もとの字は、カタカナとひらがなのもとになっている漢字のことで、受付でもらった体験シートに押せるようになっています。自分の名前の文字を探して押していくと、見慣れた名前がまるで違う雰囲気になり、なんとも不思議でした。
中国語には日本語と同じ意味の漢字があるとともに、まったく違う意味になる漢字もあります。例えば中国語では愛人=正式な配偶者のこと。老婆=妻を意味し、若い女性にも使われます。さらに娘=母親、姑=父の姉妹である叔母を指し、同じ漢字でもこんなに意味が変わります。
2階に上がると、「体で漢字をつくろう」という体験でポーズを決めて写真を撮っている人たちが目に入ってきました。これは、壁に偏(へん)や点などのマグネットを使いながら全身で漢字を形作るというもので、楽しそうな姿に私も挑戦してみることに。体だけで「火」を表してみたり、漢字のパーツを駆使したり。頭をフル回転させれば、1人でもさまざまな漢字を再現できました。全身を使ったあとは、「乾拓であそぼう」でクールダウン。日本や中国の古いコインの上に紙を置いて色鉛筆でこすり、漢字を浮き上がらせるという拓本を取る技法の一つで、中国ではよくやる遊びのため、子どもの頃にやった要領で楽しむことができました。ほかにも、漢字を学ぶゲームがたくさんあり、気づけば時間を忘れて夢中に!子どもだけじゃなく、大人も漢字の奥深さを学べる施設だと実感できました。
漢字を効率よく覚えられるよう、中国の学校でもさまざまな工夫が取り入れられています。偏や旁(つくり)などを切り分けて組み合わせを考えさせたり、たくさんの漢字の中から四字熟語を探したり。私の小学校時代の国語のテストには、ゲーム感覚で誤字を探す問題も出されました。
キュートなわたがしに心を鷲掴みにされ、漢字ミュージアムでは全身を使って大はしゃぎ。京都の新スポットは、ワクワク感に満ちていました。
魏 暁娜(ギ ギョウナ)