
キュートな和菓子で話題の茶房と、着物の生地を用いたかんざしや小物を扱うお店を訪問!江戸時代から伝わるつまみ細工の技法を使った髪かざり作りにも挑戦します。
烏丸駅からバスに乗って大徳寺方面へ。西陣の住宅地にある「うめぞの茶房」が最初の目的地です。歴史ある甘味処・梅園が手がけるお店で味わえるのは、フルーツや紅茶の風味に仕上げられた新しい和菓子「かざり羹」。築100年以上の町家の雰囲気を残した店内に入ると、レトロなショーケースに愛らしいスイーツが!イチゴやナッツ、白あんがセンスよくトッピングされて、まるでケーキのような見た目に目が奪われます。春から秋頃まで食べられるブルーベリーの「かざり羹」をいただくと、口いっぱいにフレッシュな果実の味が広がります。寒天にわらび粉を加えることで、一般的な羊羹よりも口当たりが軽くなっている生地はなんともなめらか。ハーブを練り込んだ白あんやカシューナッツなどのトッピングとともに口に運ぶと、また違った風味や食感を楽しめます。まったく新しい和菓子との出合いに胸が弾みました。
日本の大判焼きのような「紅豆餅」など、小豆を使った甘味は台湾にもいっぱい。一方、緑豆で作るあんもよく見られ、緑豆スイーツといえば「緑豆椪」が有名です。このお菓子には、なんと肉そぼろと緑豆をあわせたあんが入っています。
住所:京都市北区紫野下門前町25
電話:075-495-0119
時間:10:00〜19:00※体験は10:30〜15:30(前日の19:00までに要予約)
料金:つまみ細工体験3240円
休日:水曜日
茶房を後にして、大徳寺総門前にある「京都 おはりばこ」に向かいます。こちらは、70年余り前に創業した西陣の糸屋が始めたお店。着物の布をつまんで、花びらの形を作るつまみ細工という技法を用いた髪かざりなどを扱っています。店内には、初夏を感じさせる藤のかんざしのほか、梅・菊・桜のUピンなど洋服にも合うものが。結婚式や成人式などのめでたい日に身につける、バラや椿といったひと際華やかな髪かざりも同じ技法で作られるというから驚きです。ほかにも、一つひとつ柄が異なる古布のがま口財布やピルケースがあったり、実演ブースで職人さんの見事な腕前が見られたり。長年受け継がれてきたつまみ細工の魅力を一気に感じられました。
台湾花布とは、台湾・高雄市の美濃区に暮らす客家人(はっかじん)という漢民族が好んだ伝統的な花柄の生地。日本では着物地を利用した和小物が人気ですが、台湾ではこの花布で作ったバッグや帽子、扇子などが海外の観光客から注目されています。
「京都おはりばこ」では、つまみ細工の技法を習いながらオリジナルの髪かざりを作る体験ができます。まずは、8色の正絹から明るくカラフルな色合いなものを選び、梅の花を作ることに。小さな正方形の布をピンセットで折り込み、花びらの形にしていきます。布の角と角をきっちり合わせることがキレイに仕上げるポイントと教わるも、これが意外と難しい!でも、スタッフの方のアドバイスを聞いているうちにだんだんコツがつかめてきて、丸つまみと剣つまみという2つの手法をマスターしました。最後に、できあがった花びらを土台に1枚1枚貼りあわせ、花芯と飾りとなる「お下がり」をつければ完成。できあがったものを見たとき、達成感で胸がいっぱいに!服につけやすいクリップタイプだから、お出かけするときにつけてみたいと思います。
台湾にも伝統衣装や装飾品があり、原住民は細かな刺しゅうを施した布に花や羽をつける冠や髪かざりで頭部を豪華に飾っていたようです。「九族文化村」では、今でも伝統衣装や髪かざりを身につけた人々を目にすることができます。
繊細なつまみ細工は、もっと作ってみたいと思うほどの面白さ!和菓子なのに洋の素材を組み合わせた「かざり羹」にも感激し、京都っていいなと思えた1日でした。
胡 裴寧