
蒸し暑い夏に涼を運んでくれるような竹工芸の専門店へ。職人さんの指導のもと竹籠作りに熱中した後は、渡月橋を臨むカフェでクールダウンします。
嵐山駅に降り立つと、山々の緑と川のせせらぎに心地よい気分に。嵐山観光のシンボル・渡月橋を渡り、漬物や菓子、工芸品など京都を代表する老舗が集まる嵐山昇龍苑へ。今回は風鈴の涼やかな音色に誘われるように「いしかわ竹乃店」に向かいました。こちらは創業約80年の竹工芸品専門店で、嵯峨野の竹を用いた工芸品を創作・販売しています。店頭ではちょうど職人さんが竹割りをしているところで、その丹念な仕事ぶりに思わず見入ってしまいました。また、店内を見渡すと竹の箸や箸置き、ざる、耳かきなどの生活雑貨をはじめ、南部鉄器と竹の傘を組み合わせた風鈴や花器といった暮らしを彩るアイテムがいっぱい!その中でも特に気になったのは、竹のアクセサリー。着色した竹の繊維を指輪にしたものや、チップ状の竹にツヤ感のある画材でイラストを描いたイヤーアクセサリーなど、斬新かつレトロな雰囲気で目を引かれました。
住所:京都市右京区嵯峨天龍寺芒ノ馬場町40-8 嵐山昇龍苑2F
電話:075-861-5580
時間:10:00~17:00
料金:竹籠編み体験3,240円(材料費込、当日申し込み)
休日:年中無休
中国の陶磁器の歴史は古く、白磁・青磁などの産地としては江西省の景徳鎮窯(チントーチェン)が最も有名です。この窯の陶磁器は白地にコバルト顔料による青色で絵付けをした「青花」に代表されるように、繊細な美しさが特長です。
こちらでは、「四海波籠(しかいなみかご)」という竹籠作りに挑戦できます。体験では職人さんに教わりながら、独特のあめ色と光沢がある「真竹(まだけ)」で籠を作ります。竹ひごは、つるつるの皮面だけだと固くて編みにくいので、内側のざらざらしたものとの2種類を使用。まずは、底面の中心部から上下左右に1本ずつ編み広げていき、次に側面にあたる周囲の竹ひごを結んで立体的にしていきます。この時、乾燥した竹ひごを曲げようとしてあやうく折れそうに!ここが竹籠作りの難しいところで、竹が折れないよう職人さんに霧吹きで湿らせてもらい、柔らかくなったところで再び編み進めました。最後に、籠の土台となる脚の部分を形成して完成です!初めてながらも満足のいく出来栄えに、何を入れようか楽しみにしながらお店を後にしました。
中国では古くから「竹編(ズウベン)」という竹を編む技術があり、今でも竹の椅子や籠、小物入れがよく見られます。夏になると、ベッドの敷きパッドとして使う「竹席」が大活躍。竹の良い香りに包まれ、熱帯夜でもよく眠れます。
竹籠作りに熱中した後は、渡月橋前の建物2階にあるカフェへ。全面ガラス貼りで、見晴らしのいい「おぶう」の名物は、宇治抹茶の濃厚な味わいが楽しめる特選濃茶パフェ。抹茶アイスのほか、抹茶の寒天やゼリー、わらび餅にシフォンケーキがトッピングされ、まさに抹茶三昧。さっそくひと口いただくと、まるで抹茶そのもののアイスにびっくり!それもそのはず、このアイスにはお店で出されるほかの抹茶アイスの2倍の量の抹茶を使っているのだとか。トッピングとからませると、苦みと甘さが絶妙なバランスになり、スプーンがどんどん進みます。こちらのもう一つのごちそうである、渡月橋や緑鮮やかな山々の景色を楽しみながらパフェをほおばる贅沢な時間に、ついつい長居したくなりました。
京都の抹茶のように、中国にもお茶にまつわるスイーツとして「桂花糕(グイフアガオ)」があります。これは金木犀のスイーツで、花と砂糖から作る香りの良い蜜を、もち米粉に混ぜ合わせて蒸したもの。ほんのりとした甘さに金木犀の香りが漂い、お茶のお供として愛されています。
風鈴や扇子などの竹工芸に夏の涼を感じた後、渡月橋を眺めながらゆっくりとスイーツを堪能する贅沢さに感激しました。
王 小玉