
澄んだ青空に秋の訪れを感じる季節。和を意識したチョコレートスイーツや京友禅の染物体験など、街中の京町家でさまざまな色彩に触れ、京都の美を満喫しませんか。
最初に向かったのはチョコレート専門店の「ベル アメール京都別邸」。京町家の店内に入ると、華やかなチョコレート菓子がズラリ!枡に見立て、日本の素材を使用した美しいチョコレートなど、種類の豊富さに圧倒されます。今回のお目当ては、2階のカフェでいただけるできたてスイーツ。チョコレートと日本の食材を組み合わせた「雪月花」は、京都の石庭をモチーフに盛りつけられたのだとか。お皿の上では、小豆入りのクリームソースが白砂を、抹茶をまぶしたほうじ茶のわらび餅が草木や苔を、そして不規則な形をした竹炭のシフォンケーキが岩を表現しています。このスイーツのコアとなるのが濃厚なチョコのテリーヌで、口にふくむと舌の上でとろけるうえ、甘さ控えめのシフォンケーキやわらび餅と一緒に食べると絶妙な味わいに。まさしく和と洋の味が凝縮されたスイーツとの出合いでした。
チョコレートは台湾でも定番のスイーツ。世界的に有名なショコラティエが手掛けるチョコレートの専門店もあります。チョコレートを使ったメニューには、アイスやケーキなどのほか、チョコレートピザやココア入りのパスタやBBQソース、リゾットなどユニークなものもたくさん!
住所:京都市中京区小川通御池南入ル
電話:075-211-3273
時間:9:00~19:00(体験受付は17:00まで)
料金:京友禅体験 入門コース1300円~※予約制
休日:1/1〜1/3
次に向かったのは「丸益西村屋」という京町家の友禅体験工房。石畳のアプローチを進んで敷地に入った途端、にぎやかな都会から一気にレトロな雰囲気に包まれます。中庭からやわらかな陽が差し込むショップでは、職人さんが一つひとつ手作業で仕上げる京友禅のグッズを販売。桜や梅などの花柄をはじめ、猫やウサギなど多彩な和柄のアイテムが揃います。がま口や扇子などの和雑貨はもちろんのこと、スマホケースやタンブラーなどモダンな生活雑貨も多数。特に気になったのは、金銀の染料を使ったがま口バッグ。赤や黄色でも派手すぎず、黒や茶色でも地味すぎずスタイリッシュで、和柄のアイテムながらも洋装のコーディネートにさり気なく華やかさを添えてくれそうです。
台湾の伝統的な染織品といえば、原住民族に伝わる織布。鮮やかな色の糸を機織りしたもので、原住民族それぞれの代表的な柄が入っています。中には、織物の図案で民族の伝説や物語、精神を伝えているものもあります。
ショップをのぞいた後は、実際に京友禅に挑戦!こちらでは型を用いた「刷込友禅」で、ハンカチやバッグなどのアイテムを作ることができます。20種以上あるアイテムの中から麻のランチョンマットを選んだら、染める絵柄の型紙を決めます。花や鳥など種類が多く迷ってしまうほどでしたが、桜と蝶の絵柄で染めることに。型紙をランチョンマットの好きな位置に置いたら、いよいよ染色へ。まずは刷毛で染料をとり、キッチンペッパーに刷毛全体を押しつけてかすれる位までのばします。そして、型紙の上から刷毛で円を描くようにして色を少しずつ重ねていきます。こうすると、色の微妙な濃淡を表現できるそう。さらに、10種ある染料それぞれの色だけでなく、2つの色を重ねて染めると新しい色が生まれ、染める面白さと色を組み合わせる楽しさを同時に味わえました。完成したランチョンマットは絵柄がきれいに染まり、我ながら満足できる出来栄え。さっそく食卓に並べたいと思います。
台湾・三峽(さんきょう)は藍染の名産地。藍染の原料「馬藍(まーあい)」が豊富に採取でき、また染物に欠かせない水に恵まれた場所です。藍染の染め方は友禅とは異なり、生地を直接染料に浸します。この時、糸や輪ゴムなどで生地の一部をくくることで、さまざまな柄を作ることができます。
美しく盛りつけられたチョコレートスイーツに、数ある絵柄の中から好きなものを組み合わせて染める友禅体験と、日本の美に触れられた一日でした。
胡 裴寧