
風光明媚な東山に位置する岡崎は、社寺や美術館が点在する京都屈指の文化エリア。今回は平安神宮を参拝し、話題のスポットを訪ねます。
河原町駅から市バスで10分強。シンボリックな大鳥居を抜けた先にあるのが、平安神宮です。794年に京都へ都が遷されてから1100年を記念し、1895年に創建されました。門前の手水舎で手と口を清めて二層の楼門をくぐると、広々とした境内に思わず感嘆のため息が。大極殿(だいごくでん)、蒼龍楼(そうりゅうろう)、白虎楼(びゃっころう)などの社殿が視界いっぱいに広がります。青空に映える朱塗りの社殿は、平安京当時の建物を一部復元して造られたそう。一歩ずつ白砂を踏みしめながら拝殿へ。そっと手を合わせてお参りすると清々しい気持ちに。お参りの後はお守りwをチェック!こちらでは、開運をもたらす「神矢」やキュートなデザインの御守などがあり、ご利益にあやかりたくなりました。再び楼門へ戻る途中で振り返ると、大極殿の屋根の向こうに芽吹き始めた木々が見えました。まもなく桜の季節。社殿北側にある広大な神苑が春色に染まりそうです。
住所:京都市左京区岡崎西天王町97
電話:075-761-0221
時間:6:00~17:00、神苑拝観8:30~16:30 ※季節により異なる
休日:年中無休 ※10/22は時代祭のため12:00まで
料金:参拝自由、神苑拝観料 大人600円
朱色をはじめとした極彩色の荘厳な建物が印象的な「天壇」。「故宮(紫禁城)」と並ぶ北京のシンボルで、明・清時代の歴代皇帝が、五穀豊穣を祈ってきた神聖な場所です。総面積270万㎡にも及ぶ敷地は、現在公園として開かれていて、世界遺産にも登録されています。
住所:京都市左京区岡崎西天王町97-2 京都・時代祭館 十二十二内
電話:080-9408-9827
時間:10:00〜18:00
休日:年中無休
続いて平安神宮境内に2017年末にオープンした「京都・時代祭館 十二十二(トニトニ)」へ。平安神宮ゆかりの「時代祭」をテーマにした商業施設で、館内各所で時代祭関連の映像が投影され、祭気分が楽しめます。そんな施設で注目を集めているのは、京都らしいテイクアウトグルメ!カステラ菓子が有名な「然花抄院」にはユニークな「洛庭(ラテ)」があるとのことで、私も早速オーダー。ホットの「焙じ茶洛庭」はドリンクの上に煎餅が被さり、クリームと餡、そして食感の良いカステラのラスクがトッピングされています。着物をモチーフにしたカップを受け取り、まずは店内に用意された撮影スポットで写真を一枚。ミニチュアの鳥居の下にドリンクを置くと、着物姿でお参りに来たかのよう!写真映えするうえ、ほうじ茶のやさしい味わいと香りが楽しめるドリンクに、SNSで写真をシェアしたくなりました。
カステラと同じく、卵と小麦粉を使った中国のお菓子に「馬拉糕」があります。その名前の由来は、マレーシアから伝わったという説、おいしそうな琥珀色がマレーシア人の肌の色に似ていたという説があります。香港や中国南部地域では、甘い点心としていただくんですよ。
「十二十二」にはイートイン可能なグルメスポットがあり、京都の「松井酒造」による日本酒スタンディングバー「神宮酒場」もその一つ。蔵元直営店なのでフレッシュな日本酒を飲めるほか、蔵に伝わるレシピの甘酒や粕汁を味わえます。お酒は一杯250円〜とリーズナブル。せっかくなのでいろいろなお酒を楽しめる「三種飲み比べセット」をお願いしました。グラスに注がれた日本酒は、うっすらと黄金色に輝く大吟醸や白濁したにごり酒など、透明度の違いにびっくり!これは材料となるお米や醸造方法の違いによるそう。実際に口にしてみると、スッキリとした味わいだったり、甘い香りが感じられたりと、こんなにも味のバリエーションがあるのだと感動!飲み比べしたお酒が気に入れば、もちろん買うこともできます。お店の人におすすめしてもらったのは「平安福酒」。「十二十二」限定で、陶器製の温もりのあるボトルが福を呼んでくれそうです。
中国でも地域によってさまざまなお酒があります。水資源が豊かな四川省が主要産地の「白酒」は、お米などの穀物を原料にした蒸留酒。アルコール度数35度以上のものがポピュラーです。口当たりがまろやかなものからキリッとしたものまであります。
まだ寒さが残る1日でしたが、青空と朱色の社殿が印象的でした。さらに京都グルメが集まった「十二十二」では、参拝後の楽しみが広がりました。
賀 嘉琪