
鴨川の東、山並みを臨む東山エリアは、京都屈指の観光エリア。今回はこのエリアで話題の食と体験スポットで「これぞニッポン」なひと時を過ごしました。
河原町駅から市バスに乗って岡崎エリアへ。平安神宮の東にある「おかきた」でまずは腹ごしらえです。こちらは出汁のきいたうどんや丼料理が評判のお店。格子戸を開けると、やわらかい照明と唐紙(からかみ)のインテリアに包まれたモダンな店内が広がります。坪庭を臨む席に腰をおろしてメニューを熟考すること数分…。数ある中で目にとまったのは、3代に渡って受け継がれてきたという「天とじ丼」。オーダーすると、揚げたての大きな海老の天ぷらを出汁たっぷりの溶き玉子でとじた丼が運ばれてきました。さっそく、大きな海老の天ぷらを口に入れると、サクサクの衣にプリプリとした身の食感が抜群。かきこんだご飯にからむトロトロの玉子もたまらないおいしさ。そのヒミツは、玉子と合わさることで甘味を感じるお出汁。天然の利尻昆布とサバやウルメイワシなど4種の削り節でひかれているそうで、なんとも贅沢な味わいを満喫できました。
お皿の上や木製の丼の中にご飯を盛り、炒め物などのおかずを載せた「蓋飯」。少なくとも2500年もの歴史があると言われる中国の丼ものです。冷たいご飯が喉に通らない中国人にとって、上に載せたおかずでご飯が冷めにくいのがポイントです!
住所:京都市東山区古川町545 2F
電話:075-205-2798
時間:11:00〜21:00(最終受付20:00)
休日:火曜日
料金:「フルアトラクションコース」大人5,500円、「VRアトラクションコース」大人3,000円※要予約(当日受付可能)
岡崎エリアから徒歩約10分の古川町商店街へ。商店街の中心部に、次の目的地「NINJA VR KYOTO」があります。こちらは風情ある町家で忍者気分が味わえる体験施設。建物2階の扉を開けると、薄暗い室内の至る所に手裏剣などの忍者モチーフのインテリアが散りばめられ、まさに忍者屋敷。今回は手裏剣打ちなどの修行と、VR(バーチャルリアリティ=映像による仮想現実)技術を用いた修行の両方を体験できる「フルアトラクション コース」にいざ挑戦。忍者衣装を着用し、「九字護身法(くじごしんぼう)」という身を守るおまじないを唱えて精神統一をした後、すぐに手裏剣打ちの体験に。思うがまま何度かトライするも全て外れ…。そこでアドバイスをもらい、手裏剣が回転するように投げるとようやく的にヒット!続いてチャレンジした吹き矢は、狙いを定めて一気に吹くと一発で的中!姿勢を保つのが少し辛かったですが、的中した時の感動はひとしおでした。
中国には日本の忍者とぴったり一致する職業はありませんが、明朝の「錦衣衛」と役割が似ています。忍者のように密かに情報を収集したりさまざまな武器で敵を暗殺したりして、皇帝を護衛します。場合によっては、自分の身を犠牲にして忠義を尽くすこともあったそう。
手裏剣・吹き矢による修行の後は、お待ちかねのVR体験へ。VRゴーグルを装着したら、視界360度に忍者の世界が広がりました。竹林や鳥居、空の月などすべてが本物のようで、圧倒的な臨場感です。刀となる機器を手にすると、「刀VR」の体験がスタート。黒い服装の敵の忍者が次々と襲ってくるので、体を左右に傾けてかわしたり、刀を振って敵に向かっていったりと、まさに手に汗を握るほどのリアルさ!続いて体験した「手裏剣VR」では、腕に装着した手甲で、眼の前に迫ってくる数々の手裏剣をはじき、右に左に動きまわりながら懸命に身を守ります。まるで忍者の世界に入り込んだかのようなひと時で、「もう一度!」とねだりたいほど楽しめました。
中国では日本のアニメが大人気で、忍者といえば真っ先に『NARUTO-ナルト-』と思いつくほどブームに!アニメはもちろんフィギュアも人気で、さまざまな形で忍者の世界観が楽しまれています。ちなみに中国では「火影忍者」と翻訳されます。
京都ならではのグルメを味わったり、伝統カルチャーと現代テクノロジーが巧みに融合した体験ができたりと、最高の一日を過ごせました。
董 文奇