
秋になるとまわりの山々が赤く染まり、一段と美しい風景が広がる嵐山。今年は紅葉狩りとともに、プレミアムな体験を楽しんでみませんか?
嵐山駅から向かったのは、法輪寺。嵐山の中腹にある寺院で、地元では13歳を迎えた少年少女が智恵を授かりに参詣する「十三まいり」のお寺として親しまれています。山門をくぐり、青もみじがアーチを作る石段をしばらく登っていくと、すぐに境内が見えてきました。本堂に向かうと、智恵と福徳のご利益があるとされる本尊にちなんだ石像3体を発見!こちらに祀られる虚空蔵菩薩は、丑年と寅年生まれの人の守護仏とされ、狛犬ならぬウシとトラが本堂を守るように並んでいます。また、虚空蔵菩薩が姿を変えたという羊の像もあり、触ると智慧を授かれるというので早速タッチ。ひとしきりお参りした後は、本堂の横手にある舞台へ!山中の寺院とあって嵐山一帯が眼下に広がり、保津川や人が行き交う渡月橋などの名所を見下ろせます。秋本番には、真っ赤に染まった山々の彩りもあわさって、美しい景色を楽しめそうです。
私の地元である河南省で最も有名なのが、中国伝統武術の少林拳発祥の地として知られる少林寺。嵩山という山の麓にあり、秋になると紅葉が美しいスポットとして有名です。ちなみに少林寺拳法は日本生まれで、少林拳とは異なります。
住所:京都市右京区嵯峨天龍寺造路町35-40
電話:075-406-0010
時間:11:00~19:00(18:30最終受付)
料金:雅:30分コース4,400円、50分コース6,600円※ドリンク&お茶菓子付き
休日:年中無休
次に向かったのは、フォトジェニックな足湯が体験できる「嵐湯」。観光客のにぎわいを感じない、メインストリートから横道に入ったところにお店はあります。足湯というと、複数の人と一緒に足をつけるイメージですが、こちらでは桶を使って自分だけで楽しめます。4種類から選べ、緑茶、塩、抹茶のほか、見た目も香りも華やかな季節の花を使うものも!春はガーベラやバラ、夏はひまわりなどが桶に浮かび、まさしく季節を感じられます。今回は、秋ということでバンダやフウセンカヅラのほかカボチャに似たハナナスも入り、見ているだけでもウキウキしてきます。花びらに気を付けながら足をつけると、湯気とともに立ちのぼる香りに鼻をくすぐられます。しばらくすると足が温まってきて、肩の力がゆっくり抜けていくのを感じます。セットドリンクの抹茶ラテを味わいながら足湯で癒やされる、なんとも贅沢な時間が過ぎていきました。
中国では、足湯を「足浴」または「足療」と言い、病気をやわらげる効果のある漢方薬がよく入れられています。また、温泉地だけでなく街中にもあり、足つぼマッサージ店と併設されているのが一般的です。
温かいお湯でくつろいでいると、お肌がつやつやになると評判の入浴剤入り差し湯が注がれます。この入浴剤はお店オリジナルのもので、米ぬかエキス、桑白皮エキス、マリンコラーゲンなどが配合されているそう。うるおい成分に美肌への期待が高まります! 15分の足湯の後はフットマッサージの時間に。お湯の中で足の裏、甲、くるぶしなどをもみほぐしてもらったら、嵐山といえばの竹が登場。足に保湿や消臭の効果がある緑茶配合のマッサージクリームを塗って、竹で足首から膝までをローリング!歩き疲れた筋肉がほぐされ、終わった後は足も気分も軽く!旅の疲れを癒やしながら、キレイにも近づけるうれしい体験でした。
中国で最も有名な温泉地と言えば、陝西(せんせい)省の驪山(りざん)の山麓にある「華清池」。その起源は約2700年前にもさかのぼり、世界三大美女とされる楊貴妃も湯浴みをしたことで知られています。現在は西安市民の保養地になっています。
ちょっとした山登り気分でお参りや景色を眺められる穴場と、贅沢な気分にひたれる足湯を満喫できました。
賀 嘉琪