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2023年度企画展I 堀尾貞治 あたりまえのこと 千点絵画(BBプラザ美術館)
美術家・堀尾貞治(1939-2018、神戸市兵庫区生まれ)は美術教師との出会いや民芸運動に尽力した叔父・堀尾幹雄の影響により、15歳の時に一生美術をやると決心しました。中学卒業後から定年を迎えるまで三菱重工業神戸造船所で働きながら、創作活動と仕事を両立。多い時には年間100 回以上という超人的なペースで、個展やグループ展、パフォーマンスを国内外で行いました。前衛美術グループ「具体美術協会には1965年に初出品し、翌年から1972年の解散時まで在籍。1985年に目に見えない「空気」という存在を「あたりまえのこと」と表現し、生涯の創作テーマにすると決意。身体的行為から生み出す「空気」を可視化するための様々な美術表現に挑みつづけました。
BBプラザ美術館では、2014年に堀尾の《色塗り》作品約3,000点を展示し、会期中に様々なパフォーマンスを行う「堀尾貞治あたりまえのこと〈今〉」展を開催しました。
約10年ぶりの開催となる本展では、堀尾が2016年に奈良県大和郡山市にある喜多ギャラリーで全6回に亘り取り組んだ千点の絵画を描くプロジェクト《千Go千点物語》の作品群を紹介します。
元々は〈千号サイズの絵を描きたい〉という堀尾の言葉に、〈千号ではないが、廃棄パネルなら千点入手できる〉と同ギャラリーが呼応したことから始まったこの取り組みは、2016年の6日間(2月15日、3月18日、5月22日、6月26日、9月4日、10月4日)で、凄まじい集中力と瞬発力をもって描かれました。支持体として使われた使用済みの展示会用木工パネル(廃棄パネル)は、広告等の様々な出力シートが貼られ、寸法もサブロク版(90cm×180cm)を半分にカットした90cm角の正方形約600点を中心に、大きいもの、小さいもの、四角形、三角形、台形とひとつとして同じものがありません。
対象の持ち味を瞬時に見極めて描くことは、堀尾が1997年から2018年に亡くなる前日まで毎朝継続していた「一分打法」による創作鍛錬の賜物であり、集大成と言えるでしょう。
ペンキやアクリル絵具、墨で描くだけでなく、鈍器で叩く、火で炙るなど、様々な技法を駆使して生み出された作品を通して、自己との対話と制作現場における不断の挑戦により、極限まで研ぎ澄ませた堀尾の創作精神をぜひご体感ください。
■開催日時
2023年10月17日(火)~12月24日(日)
午前10時~午後5時(入館は午後4時30分まで)
■休館日
月曜日
■場所
BBプラザ美術館
■料金
一般400円(320円)、 大学生以下無料
※65歳以上の方、障がいのある方とその付添いの方1名は半額
※( )内は20名以上の団体料金
※11月18日(土)、19日(日)は関西文化の日として入館無料
■アクセス
阪急神戸線・王子公園駅下車、南へ徒歩10分
■WEBサイト
https://bbpmuseum.jp/