写真部門および絵画部門でそれぞれもっとも評価の高かった「最優秀賞」を始めとした各賞をご紹介します。若い感性が溢れる「キッズ・ジュニア賞」や「ティーンズ賞」、審査員の琴線に触れた作品「審査員賞」。その他にも、“ええはがき”のスピリットが表現された「大阪ええはがき研究会賞」など、作者の思いと地域の魅力が凝縮された60作品をご覧ください。
※キッズ・ジュニア賞とは、小学生以下を対象とした作品 ※ティーンズ賞とは、中学生以上19歳以下を対象とした作品
なかなか積もらない嵐山の雪、やっと降雪。急いで撮影に行きました。大河内山荘前の高台より手を伸ばして撮影しました。
In Arashiyama, where it does not snow so much, snow had finally settled. So I went to take photos in a hurry. To shoot this photo, I reached out from the hill in front of the Okochi Sanso villa.
待ちに待った降雪。雪の知らせを聞いて嵐山に飛び出した作者の感動が伝わってくる作品である。画面の中心部に向かう構図が実に見事である。赤いバッグを背負う点景人物と美しく立ち並ぶ
竹林の積雪が、奥の緑の竹と融合して、品格のある格調高い作品に仕上げている。カメラの俯瞰的なアングルも素晴らしい。
(有野永霧先生)
誰の心の中にもある大好きな風景。庭先で春になり咲く木蓮の花越しに、高架の先で海が煌めき、輝きだした春の街角。いつまでも変わってほしくない私の景色です。
Everyone has a favorite scenery in their heart. A spring street corner, where the sea shines over the elevated railroad, adorned with magnolia flowers blooming in the garden. This is my favorite scenery and I hope it will never change.
この坂道の先には海。そして、この坂道に座る作者の横には木蓮の花が春の風に揺れています。ごくありふれた神戸の街の風景ですが、作者にとって安らぎを覚える日常の坂道なのでしょうね。構図にも柔らかい色使いにもこの風景を大切に思う作者の思いが感じられ、共感します。
(井上正三先生)
勝尾寺のしだれ桜は山門の左右にあって参拝者を迎えてくれます。
時々、弁天池の橋の下からは水煙が吹き出し、風で山門や桜、池などに流れ、幻想的な景観に変化いたします。
Weeping cherry blossoms at Katsuo-ji Temple droop on the left and right of the gate, and welcome worshipers. From time to time, fog drifts from under the bridge of the Benten Pond. The wind blows it toward the gate, the cherry blossoms, the ponds, and other places, making the landscape mystical.
勝尾寺以外ではまれにしか見かけない人工的な霧を、見事な感性で映している。何かを透して世界を撮るという透視法をうまく使い、幻想感のある華やかな美しい風景に仕上げている。全体をブルーの基調にして、色鮮やかな枝垂れ桜と純白の噴霧とを対比させた感性に魅了された。日本画のような優美な美を感じさせる見事な作品である。
(有野永霧先生)
市民から天神さんと呼ばれ親しまれている長岡天神。四季折々の花できれいに彩られる神社。社殿の朱色と紅葉が競演する様をスケッチしました。
Nagaoka-Tenmangu Shrine is known familiarly by the citizens as Tenjin-san. The shrine is beautifully colored with seasonal flowers. I sketched the perfect matching of the vermilion shrine pavilion and the autumn leaves.
社殿の朱とバックの木立の紅葉とがまさに競演しています。スピーデイーなペンデッサン、筆さばきは達者で、この鮮やかな朱の世界の前に座り、心躍らせ筆を走らせる作者の姿が目に浮かびます。繊細な描写と大胆な筆致、社殿を大きくカットした構図が魅力的です。
(井上正三先生)
父と母が毎日お散歩しているコースを案内してもらい、そこでわらび採りも楽しみました。
張切ってたくさん採る母と、母を見守る父。両親は、いつまでも私のお手本です。
大阪が一望できる小さな公園で。
My parents took me to the course where they take a walk every day, and we enjoyed picking bracken there. My mother enthusiastically gathering many bracken fiddleheads, and my father watching over her. My parents will forever be my ideal. In a small park overlooking Osaka.
まずは、「わしっ」とワラビを掴んだ手の力強さに目を奪われました。摘んだワラビを見て反射的に撮った一枚。気持ちがとっても伝わります。
コメントに目を向ければ、お父様お母様との散歩道でのワンシーンとのこと。何気ない日常の、かけがえのない家族の幸せ。こんなええはがきを送られたら、受け取った相手も幸せになれそうです。
(杉本容子先生)
西宮神社は日本に約3500社ある、えびす神社の総本社です。地元では「西宮のえべっさん」と呼ばれています。
七五三参りでかわいい赤ちゃんがお母さんに大切に抱っこされながら、大声で泣いていたのが印象的でした。
Nishinomiya Shrine is the head shrine of about 3,500 Ebisu-sect shrines in Japan. The locals call it Nishinomiya-no-Ebessan (Ebisu in Nishinomiya). A cute baby brought for the Shichigosan festival, crying loudly while lovingly held by its mother, left a deep impression on me.
夏にはたくさんのハスの花を咲かせる緑地公園の山ヶ池。
春先は立枯れ状態になっていますが、よく見るとたくさんのカモ達がいて、あそこでもここでも恋の花を咲かせています。
In summer, many lotus flowers bloom in Yamagaike Pond in Ryokuchi Park. Although the lotus withers in early spring, if you look closely, you can see love blossoming among many duck couples here and there.
須磨浦公園から望遠レンズで海岸に近づけると、砂浜の一部が引っ張られてどこまでも伸びて行く様に見えました。
この場所からでないと見られない風景に見入ってしまいました。
When I saw a beach through a telephoto lens from Sumaura Park, it looked as if a part of the sandy beach was being pulled and stretched forever. I was fascinated by the scenery that can only be seen from this place.
常寂光寺は小倉山中腹にあって、元は藤原定家の時雨亭跡と伝えられています。
青もみじの風情は定家の和歌の世界を感じさせます。
Located on the hillside of Mt. Ogura, Jojakko-ji Temple is believed to be the site of the Shigure-tei villa owned by the ancient poet Fujiwara no Teika. The elegance of green maple leaves immerses us in the world of Japanese poetry once composed by Teika.
小学校の通学路にあったお寺です。中学で引越したので、久しぶりにスケッチに訪れてみたら、塀が凄く低く感じました…自分の身長が伸びたせいですね。
毎日、日が落ちるまで遊んだ懐かしさを描こうと思いました。
This is a temple on the road to my elementary school. When I visited here to sketch for the first time since moving to another city in my junior high school days, I felt that the fence was very low—probably because I had grown taller. I tried to depict the nostalgia of my childhood days when I used to play there every day until sunset.
今回のコンテストは、阪急阪神ホールディングスグループの社会貢献活動「阪急阪神未来のゆめ・まちプロジェクト」の一環として、阪急阪神ホールディングスとの共催により実施するものです。