「逸翁美術館」で応挙と呉春に会う。
今日から始まった逸翁美術館の開館60周年記念展 第五幕「応挙は雪松、呉春は白梅。」
バーチャル駅長の役得で内覧会にお招きいただきました。いつもお声がけくださりありがとうございます。
学芸員さんの解説も聞ける又とない機会ということで、朝から池田にある逸翁美術館に行ってきました。
今回の見どころは応挙の「雪松図屏風」(三井記念美術館、国宝)の習作と言われている「雪中松図屏風」
そして呉春の代表作「白梅図屏風」(重要文化財)を一度に観ることができるところ。
こちらが円山応挙の「雪中松図屏風」
それまでの狩野派や琳派、水墨画とも違う、リアルな世界を描いた革命とも言える表現なのだそうです。
墨の濃淡で表現された迫ってくるようなリアルな松、描かれていない白い雪の存在感に暫し魅入ってしまいました。
そしてこちらが今回梅子が一番好きだった画、円山応挙「嵐山春暁図」
暁の仄暗い桜咲く嵐山。
保津川に映る月がなんとも叙情的です。
春の嵐山で一番美しい時間。
こちらは長沢芦雪「長春亀図」「藤花鼬図」
自然の中の動物の表情が可愛くて、こんな場面に遭遇したらうれしくなる瞬間の画です。
どちらも植物の配置があってこそ和むのかも知れませんね。
呉春「白梅図屏風」
呉春は20歳で与謝蕪村に弟子入りし、蕪村の死後に応挙の写実的な作風を学びました。
写実的な作風にさらに詩的な要素を加えたのが、呉春をはじめとする四条派の特徴。
父と妻を亡くして気を落としている時に、蕪村の勧めで呉羽の里(池田)に移り住んで春を迎えたことから、画号を呉春としたそうです。
蕪村と呉春が池田と深いつながりがあること。
そして蕪村を愛する逸翁が、呉春の作品をたくさん所有していることも素敵なエピソードに思えてきました。
蕪村の辞世の句は、「しら梅に明る夜ばかりとなりにけり」(家の外で白梅が咲いている。私の命は白梅が見えてくる夜明けまでとなりそうだ。)
そして呉春のこの「白梅図屏風」を見て、今年の梅は違った景色に見えてきそうです。
たくさんのエピソードを交えて観ると、やはりその作品は深みを増して生き生きと見えてきました。
そして特別に写真撮影のお許しもいただき、ブログも書かせていただけて幸せな時間を過ごしました。
知れば知るほど愛しく感じる素敵な作品を、ぜひ観に行ってみてくださいね。
⭐︎コトリスさんもブログでご紹介しています→こちら
逸翁美術館 開館60周年記念展
第五幕 応挙は雪松、呉春は白梅。
会期:1月20日(土)〜3月11日(日)
休館日:毎週月曜日(但し2月12日(月)は開館、翌2月13日が休館)
観覧料:一般700円 大・高生500円 中学生以下無料
住所:大阪府池田市栄本町12-27(阪急池田駅より徒歩10分)
公式HP:http://www.hankyu-bunka.or.jp/itsuo-museum/
※経路はgooglemapが選んだルートで、最適ルートと異なる場合があります。
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この記事へのコメント(2)
コトリス2018年1月21日 17:38
今日はお会いできて嬉しかったです。
逸翁美術館、家の近所なんですがなかなか役得に参加する機会に恵まれず、ようやく入れるのを楽しみにしてました。
見るだけではなく応挙や呉春の作品まで撮影できるなんて、贅沢な時間でしたね。
またお話できるのを楽しみにしています。
梅子2018年1月21日 23:34
コトリスさん、本当に楽しい内覧会でした。数々のエピソードの一言一句を聴き逃すまいというくらい、ギャラリートークが楽しいです。また、今度ゆっくりお話しましょうね^_^