見世物の世界、その歴史と伝統
お祭りや縁日での「見世物小屋」。
行ったことがなくても、なんとなく興味を持っていた人も多いのではないでしょうか。
でも、いまいち覗く勇気がなかったり、今となってはそもそも「見世物小屋」ではどんなことをしていたのか、知る由もない・・・
私を含め、そんな人にぴったりの展覧会が今、国立民俗学博物館(通称みんぱく)の特別展示館でおこなわれています。
ここでの「見世物」は、いわゆるサーカスで見られるような「曲芸」だったり「軽業」と言われるもの、また「奇術」なども指すようです。
今でも消防の出初式で高いはしごの上で技を見せたり、各地のお祭りの伝統的な踊りなども、見世物のひとつと言えるのかもしれません。
みんぱくの展示では昭和の中頃までおこなわれていたという「女相撲」の資料展示にも度肝を抜かれましたし、現代では考えにくいような「見世物」で当時の人々の興味をそそった、そんな歴史を垣間見ることが出来ます。
中でも、1番衝撃だったのは大正末期から平成の90年代まで興行をおこなっていた《安田興行社》の「人間ポンプ」です。
「人間ポンプ」の技は、資料展示の他に平成初期当時の映像が残っており、会場で随時ビデオ上映されています。
昔の5円硬貨をゴクンと飲み込み、あとから紐を通して再び胃の中から硬貨を取り出したり
生きている金魚をそのまま飲み込み釣竿を使ってその金魚を胃から釣り上げたり
ガソリンのような液体を口に含んで火をつけ、口から火を吹いたり・・・・・
そんな技を全国を回りながら身につけたのも、すべては生活のための、生きていくための術だったのだという解説を読みました。
ただ驚くだけではなく、当時それに携わっていた人々の人生にしみじみと思いを馳せる展覧会でした。
「見世物大博覧会」は今月29日(火)までの開催です。
また27日(日)までの土日祝日には、大阪モノレール万博公園駅からみんぱくまでの無料の園内シャトルバスが運行されています
みんぱくを出てすぐ、日本庭園前に植えられているカナディアンメープルの木が、周りの木々よりひと足早く、美しく紅葉していました
秋の夕暮れ時、太陽の塔の後ろ姿に、哀愁が感じられました
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特別展 見世物大博覧会(11月29日〈火〉まで) HP
⚪︎吹田市千里万博公園10−1 国立民族学博物館 特別展示館
⚪︎電話番号06−6876−2151
⚪︎開館時間 10:00〜17:00(入館は16:30まで)
⚪︎観覧料金 一般 830円/高校・大学生450円/小・中学生250円
(この料金で本館にも入館可。20名以上は団体割引あり)
⚪︎休館日 水曜日(ただし期間中の11月23日は開館、翌日24日は休館)
※経路はgooglemapが選んだルートで、最適ルートと異なる場合があります。
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この記事へのコメント(2)
sugar2016年11月10日 14:57
この特別展の事を知ってはいましたが、
人間ポンプまであるとは。昔はビックリ人間大集合みたいな番組をよくテレビでもやってましたね。こうやって歴史を見るのも面白いですね。
カスタード2016年11月10日 18:07
sugarさん、コメントありがとうございます。「びっくり人間大集合」というタイトル自体、今や懐かしいような響きに感じますね(´-`)多くの人々を楽しませるための見世物が、その陰での苦労や苦悩も並みのものではなかったのだなぁと、いろんなことを考えさせられる展示でした。