甲子園会館ライトアップが行われます
11月24・25日に武庫川女子大学・甲子園会館のライトアップが行われます。この甲子園会館、もとは1930(昭和5)年に竣工したホテルで「東の帝国ホテル、西の甲子園ホテル」と並び称される有名な建築。設計者も帝国ホテルがフランクロイドライト氏に対して、甲子園ホテルはそのライト氏の愛弟子・遠藤新氏。近代建築が好きな人なら一度は訪れているのではないでしょうか。
甲子園ホテルといってもホテルとして稼働していたのは14年だけ。1941年には太平洋戦争が始まり、1945年には敗戦。それにともなって病院になったり米軍の宿舎になったりと不遇な運命をたどり1965年に武庫川学院が国から譲り受け、現在のキャンパスになっているということです。この武庫川学院さんの英断がなければこの建物も、帝国ホテル同様に明治村に移築されていたかもしれません。建物はやはりどういう人に巡り合うかで大きく運命を左右されます。
さて、ライトアップの見どころを紹介したいと思ったのですが、何と武庫川女子大学のホームページには昨年の様子がじーねこの写真よりもはるかにきれいな画像で挙げられています。ぜひそちらをご覧ください。じーねこのブログではそこにプラスするような形で書いていこうかと思います。この写真は一昨年の写真です。雨が降っていたのですが、その雨が地面に反射効果をもたらして、また違った味わいを醸し出しています。
中の装飾に見どころがあります。こちらは有名な日華石による打ち出の小槌のレリーフ。このデザイン、いいですよね。和の意匠を見事に近代建築に溶け込ませている一例だと思います。このデザインのトートバッグがあれば買ってしまいますね。
玄関すぐのホールの柱。この柱頭のデザインに目が行きましたが、どういうことなのでしょう。ついつい考えてしまいます。
中には学生さんたちが制作したものが展示されていました。こういう勉強に没頭できる学生さんがうらやましいです。しかもこんな素晴らしい建築物の中で。過去のことを悔やんでも仕方がないのですが、このときだけは、なぜ自分は建築を勉強しなかったのだろうとちょっぴり後悔させられました。それくらいいい制作でした。
こちらも一昨年の写真ですが、ホールでは学生さんたちによるライブが行われていました。熱いライブでしたが、このステージの装飾も熱いですよ。上部のこの装飾をご覧ください。まるで何かが滴り落ちてくるような印象を受けるのはじーねこだけでしょうか。面白いですね。
クラシックな音楽もやっていましたが、外から撮影してみました。やはり名建築です、画になります。未熟なじーねこのカメラの腕を補ってくれています。館内の催し物はこれだけでなく、食堂ではライトアップ限定のメニューがあったり、限定のケーキが販売されたりしていました。いろいろと楽しめるイベントになっていましたね。
こちらは日華石で作られた噴水。この噴水のある空間上部には欄間窓があり、冬至の時期の午前10時40分頃になると、この奥にある打ち出の小槌のレリーフに光が照射されるように設計されているそうで、毎年、その見学会が催されているそうです。こういうことが出来るのも、移築されず元の位置に建てられているかですね。
庭の紅葉が見事でした。じーねこは遅い時間に行きましたが、開館直後の17時頃であればぎりぎり明るい状態で紅葉が楽しめると思います。じーねこは夜景とともにリフレクションも狙ってみました。どうでしょう?(笑)
庭ではこの他にも学生さんたちの制作展示も行われていました。そのあたりは武庫川女子大学のホームページを参照してください。
甲子園会館という建物自体も見応えがあって、ぜひ見て頂きたいと思いますが、それだけでなく、その名建築の下で学ぶ学生さんたちの姿もぜひご覧いただきたいと思います。人あっての建築ですから、建物だけでなくその建築物を作る人にも触れてみると、建築がより一層興味を持ってみることが出来ると思います。
【甲子園会館ライトアップ】
日 程:平成30年11月24(土)・25日(日)
時 間:17:00~20:00(開門16:30)
場 所:武庫川女子大学甲子園会館
〒663-8121兵庫県西宮市戸崎町1-13
Tel 0798-67-4501
※事前申し込み不要・入場無料 詳しくはHPで。
※経路はgooglemapが選んだルートで、最適ルートと異なる場合があります。