このお地蔵さんがいるのは京都の商店街のお寺
身長5cmくらいの、このかわいいお地蔵さんは、実はおみくじです。
矢田寺または矢田地蔵尊と呼ばれている小さなお寺に、このお地蔵さんは並んでいるんです。
矢田寺は、京都寺町通にありますが、これがちょっと変わった場所。
この矢田寺、なんと寺町通の商店街の中にあるのです。
当然まわりは全部お店。境内は参拝自由です。
商店街の中にあるということもあってか、
お参りする前に打つ鰐口(神社では鈴の役目にあたる小さい鐘)のところにも、
「加減して打ってください」と書いてあります。
正面奥に、ご本尊である高さ2mの地蔵菩薩像がいらっしゃいます。
地蔵菩薩、またの名をお地蔵さんですね。
お地蔵さんは、親しみ深い仏さんですが、こちらのお地蔵さんは代受苦地蔵と呼ばれていて、
人々の苦しみを代わりに受けるという仏さんなのです。
そのいわれとなる縁起は、説話として伝えられているのですが、
簡単に言ってしまうと、地獄に落ちた亡者の苦しみを救ってくれるという役目を持つ仏さまです。
なんとも鮮やかな絵馬ですが、これは地獄の炎の中の釜です。
鬼に放りこまれている亡者に手をさしのべているのが、僧に姿を変えているお地蔵さんです。
こんな恐ろしい絵馬はかなり珍しいと思います。
ご本尊の前にも、なんと炎が。
これもまた珍しい。
こちらの名物お守りのお地蔵さんは、住職さんとご家族の手作りで、中にお札が入っています。
1つ1つ手作りなので、みんな微妙にお顔が違うんです。
こちらおみくじのお地蔵さん。底が剥がせるようになっていて、中におみくじが入っています。
こちらはほんのりピンク色をしていますが、黄色っぽいのとかもありました。
矢田寺で一番有名なのが、この鐘。
「送り鐘」と言って、お盆の終わりに「ご先祖様が無事あの世へ戻れるように」と願って鐘を突く行事があるのですが、
ここがその場所。
ちなみに「迎え鐘」を突くのは「六道珍皇寺」。
その名のとおり「ご先祖様がちゃんと里帰りできますように」という願いを込めて。
矢田寺はいっぱいの提灯で照らされているので、とても暖かい感じがします。
私たちにとって身近な存在のお地蔵さん。
そのお地蔵さんがいつもいてくれる場所にふさわしい、京都の商店街の中です。
「矢田寺」
参拝時間:8:00~19:00
アクセス:阪急電車「京都河原町」下車 徒歩10~15分
地下鉄「京都市役所前」からなら徒歩5分ほど
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