『わびとサビとはどう違う?』@逸翁美術館
ご無沙汰しております。ぴちぞうです本日より「阪急沿線 雅俗三昧」を再開いたします。
再開初日にふさわしい展覧会へ行って参りました。
本日より再開(というか延期なさっていたので、実質初日)の『わびとサビとはどう違う?』を逸翁美術館で鑑賞。
こちらの展示テーマが公式サイトで発表された時から、「うわー、面白そう」ってずっと楽しみにしていたのです。
手をアルコール消毒し、マスク着用のまま、いざ入館。
まず、わびとサビについての定義が呈示されています。
「わび」とは?「サビ」とは?
解説によると、わびとはincomplete(不完全な)もの、さびとはimpermanent(永久ではない)もの。
分かりやすいように、それぞれのカテゴリーにあてはまる展示品が並べられていました。
頭の中で整理して振り向くと、展示室が大きく二分されていました。
「わび」コーナーと「サビ」コーナーに
両コーナーで学んだこと。
「ネガティブな要素をポジティブな言葉へ置き換え、新しい価値を見出す」
わび:「粗い」は「〇〇」、「歪み」は「〇〇」、「壊れ」は「〇〇」
サビ:「荒れ」は「〇〇」、「剥げ」は「〇〇」、「褪せ」は「〇〇」
(〇〇に入る言葉は、ぜひ直接お確かめください)
- 信楽、備前、伊賀の無釉陶器、歪んだ徳利、割れた手鉢などがわび
- 茶の湯釜、くすんだ蒔絵棗、色あせた唐物籠などがサビ
鑑賞しながら、時空間と密接に関わる言葉なのだなと気付きました。
たとえば、わびの「incomplete」。
歪みや壊れに美を見出す考えなのですが、均整の取れた空間に突如出現する割れた手鉢には、「時を止める」面白さも感じられます。
一方、サビは「impermanent」。
つまり時の移ろいを味わう考えなんですが、色褪せた蒔絵の香合には、「空間にそっとなじむ」穏やかさが見て取れます。
わびは自由、サビは愛着、共に時空間に切り込んでくる。そこに「美」があるんだと理解しました。
展示品をすべて観終わると、出口前の壁面に最後の解説があります。こちらも非常に面白かったので、お見逃しなくです
ちなみに、訪館前にぴちぞうはこの動画を観ました。
【逸翁美術館「わびとサビとはどう違う?」バーチャル展覧会】
https://www.facebook.com/hankyu.culture.foundation/videos/685550648909496/
逸翁美術館
9月6日まで、お見逃しなくです
阪急宝塚線「池田駅」より北東へ徒歩10分
逸翁美術館公式サイト「わびとサビとはどう違う?」
http://www.hankyu-bunka.or.jp/itsuo-museum/exhibition/2402/
*訪館前に公式HPで開館時間等ご確認されることをお薦めします
*「ポケット学芸員」のアプリが利用できます
※経路はgooglemapが選んだルートで、最適ルートと異なる場合があります。
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この記事へのコメント(2)
くにくに2020年5月30日 20:25
ぴちぞうさんの、含蓄ある解説と言うか解りやすい理解の説明に座布団三枚(笑み)造形深い(合ってますかね?)美に関する表現力に引き込まれてしまいました。
完璧な美より、美がより一層愛しく感じられる様な深い味合いが大切なのかも。
女性もそうかも········多少はちょっとしたコンプレックスの有る方が完全無欠の美女より魅力的に思うかもしれませんから。横道にそれましたが、奥深い事柄に心引かれての投稿を心待ちにしています。沿線の博物館や美術館など探索して、心豊かになるのも良いですね、期待しております。
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ぴちぞう2020年6月 3日 21:16
くにくにさん、コメントありがとうございます。期待に応えられるように、楽しんでいただけるように、頑張ります。