『熊谷守一展 わたしはわたし』@伊丹市立美術館
一瞬の晴れ間を見つけて、
『生誕140周年熊谷守一展 わたしはわたし』を観に、伊丹市立美術館へ行ってきました
ポスターの「猫」は、動物を愛した熊谷がとりわけ題材としたもの
97年の生涯で、身近な人々、動植物、日常生活を観察し、描いてきた熊谷守一。展覧会は彼の「眼差し」=「ものの見方」を、3つのアプローチで再考していました。
第1章は「人生をたどる」、第2章は「絵をひもとく」、そして第3章は「こだわりを楽しむ」です。
今展示のタイトル、「わたしはわたし」。
「ものの見方」とは、すなわちその人独自の「世界認識」なわけです。
作品鑑賞中ずっと、熊谷さんの声「だって、俺にはこう見えちゃってんもん」が耳元で響いていました
一枚ずつ誰かと「これはこうやんな?」と語りたくなる絵ばかりなのですが、
熊谷作品において最重要となる「色のつながり」「かたちの関係」に焦点を当てるなら
やはり『ヤキバノカエリ』について言及せねば、、、でしょう。
長女の萬を荼毘に付した後、子供二人と一緒に歩く熊谷自身の姿が描かれています。
簡素な背景には愛娘を失った寂しさが現れている一方で、
焼き場帰りの三人には強く太い輪郭線が施されていて、
「生きている」人間の確固たるエネルギーを感じさせます。
解説によると、デッサンから入念な準備がなされ、構図も様々考えられて製作されたそう。
ものすごく鑑賞者の心を揺さぶる作品だと、ぴちぞうは思いました。
熊谷さんは76歳で脳卒中になって以降、写生旅行をやめ、自宅の庭の散歩を日課とします。
キャプションに「小宇宙での独り遊び
」と書かれていて、良い表現だなぁと
小宇宙に棲まう動植物たちの絵は、どれもが愛らしく、生命力にあふれています。
彼らの「存在」を「どう捉えるか?」
熊谷さんの「解釈」がとにかく楽しい展示内容でした。
ミュージアムショップには可愛いお土産がたくさん
ぴちぞうは、こちらのスケッチブックを購入しました
伊丹市立美術館
『熊谷守一展 わたしはわたし』は7月31日まで、お見逃しなく
阪急伊丹線「伊丹駅」より徒歩約9分
伊丹市立美術館公式サイト https://artmuseum-itami.jp/
*訪館前に公式HPで開館時間等ご確認されることをお薦めします
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