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東西鉄道界両巨頭のオタク対決!逸翁美術館『東西数寄者の審美眼』

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宝塚線池田駅から徒歩10分ほどの逸翁美術館で、また新しい展覧会が始まりました!

バーチャル駅長の役得で内覧会におじゃましてきましたので、特別に撮影させていただいた写真と一緒にご紹介します。

 

今回は『東西数寄者の審美眼』と題して開催される、関東・関西鉄道界の両巨頭、小林一三と五島慶太のコレクションが見られる特別展。

阪急の逸翁美術館と東急の五島美術館、それぞれの収蔵品を見比べながら、ビジネスパートナーでありオタク仲間でもあるふたりの関係性に触れられる、とってもおもしろい展覧会でした!

 

小林一三が五島慶太を沼へ引きずり込む...

180825-01.JPG逸翁美術館におじゃましたのは台風が運んできた蒸し暑さが残る朝。

でも、美術館前では夏仕様の旗がさわやかに風になびいていました。

 

180825-32.JPGパティオのモミジも青々としてキレイ。

 

180825-31.JPGけどよく見ると枝先の葉の色が少し変わっていて、季節の移り変わりを感じますね。

 

180825-09.JPGさて、8月25日(土)から始まった逸翁美術館の特別展『東西数寄者の審美眼』

阪急電鉄の創業者・小林一三と東急グループの基礎を作った五島慶太という、現代日本人の基本的なライフスタイルを作り出したともいえる二人のオタクっぷりを見ることができる展示です。

 

鉄道の沿線に作られた住宅街にローンで家を購入し、平日は都心の会社へ通勤。
休日にはターミナル駅に作られた百貨店で買い物を楽しんだり、終着駅にあるレジャー施設で余暇を楽しむ...。

そんな今のわたしたちの当たり前の暮らし方を作り出した阪急電鉄の創業者・小林一三については、阪急沿線に縁のある方ならある程度ご存知ですよね。

 

小林一三はそのビジネスセンスを請われ、一時期東京で田園調布の開発に関わったり、東急電鉄の前身となる鉄道会社のアドバイザーをしていたことがあります。

そのときの仕事上の弟子のような存在だったのが五島慶太。
本業が忙しく、東京での仕事が難しくなってきた一三に変わって、後の経営を引き継ぎました。

 

180825-29.JPG▲「大阪市梅田 阪神急行電鉄会社 小林一三様」で届いちゃう手紙。

五島慶太についてはわたしはほとんど知らないのですが、今回の展覧会を見るにあたってサラーッとウィキペディアを読んだところ、良くも悪くもまっすぐな人というイメージ。

学校の先生をしたあと20代後半で東大に入り直し、その後官僚をしていた五島慶太に対して、慶應卒業後、銀行で働き、若いころから美術品を集めていたおしゃれな小林一三。

真面目だけどちょっと不器用なところもある五島慶太にとって、スマートに我が道をさらりと進む一三は憧れのような存在だったのかなあ、なんて思ったりもします。

 

180825-10.JPG▲伊勢物語の絵巻になるはずだった下書きの紙に書かれた光明真言。

そんな五島慶太ですが、奥さんや子どもを早くに亡くしたせいもあるのか、写経集めにはまっていた時期がありました。

 

近鉄の前身となる鉄道会社の仕事で大阪へ来るたびに、奈良や京都でお寺巡りをしていた五島慶太。
「お経を見ていたら神社仏閣に行った気がする...」と東京では写経に癒しを求める日々。

「高価な買い物だけど、一年で割ったら安いものだもんね」なんて、我々もぜいたく品が欲しくなった時に言い訳がましく思っちゃうのと同じ論理で、どんどん写経を購入します。

 

そんな五島慶太に「そんなにコレクション好きなんだったら、こんなのもどう?」と茶の湯の世界をうっかり教えてしまう小林一三。

「先輩、俺こんな世界があったなんて知らなかったっす!」と言ったかどうかは知りませんが(絶対言ってないです)、その後、まっすぐすぎる五島慶太は写経以外の古筆や茶道具などをガンガン買い集め、それが五島美術館のコレクションの基礎となっています。

 

今回の展示の中には二人の手紙のやり取りなんかもあるのですが、これがおもしろくてですね...。

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「ちょw おまwww 後から始めといてオレよりコレクションし過ぎやでw でも欲しいものは瞬殺しとかなあかんし、やるな、おぬし」的な先輩・小林一三から五島慶太にあてた手紙...。

それから、「こないだ先輩にもらった同人誌、見直そうと思ったらなくしちゃってて...。もし余ってるのがあったらもらえませんか? ちなみに明日から北海道でっす!」といった五島慶太から小林一三への手紙など。

※実際はもちろんもっと丁寧な文面です。

 

そんなふたりのやり取りを見たわたしの素直な感想は、「この人たち、お金のあり余ったオタクやな...」。

日本の東西の都心を暮らしやすく開発していたふたりが、プライベートではこんな交流をしてたなんて。

いくつになっても、どんな立場にあっても、趣味の話ができる友だちがいるのっていいなあって思ったりもしました。

※ちなみに小林一三は、手紙が届いた次の日には同人誌を五島慶太に送っている優しい先輩です。

180825-30.JPG▲地元民にとっては生々しすぎる住所!

 

見たことのあるあんなものやこんなものが勢ぞろい

180825-04.JPGさてさて、『東西数寄者の審美眼』の実際の展示ですが、ちょっと変わっていておもしろかったんですよ。

小林一三と五島慶太は同じ時代に同じような分野の美術品の蒐集をしていた二人。
自然と似たものをコレクションしています。

そんな二人のコレクションの中から、同じテーマ・同じ作品を並べて見比べられるように展示されていました。

 

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▲プーチン大統領から猫をもらった秋田県の佐竹敬久知事は「佐竹北家」の当主。

そんななかでも重要文化財の「佐竹本三十六歌仙絵」は、もともとひとつの絵巻物だった作品。

あるとき、販売するには高価過ぎることから、三十六歌仙をひとりずつ切り離し、抽選で希望者に売却したのだそうです。
豪邸の建っていた敷地を分割して販売するような感じなのかな...。

三十六歌仙絵のうち、藤原高光が逸翁美術館に、清原元輔が五島美術館に収められています。

 

上の写真の藤原高光は元々お金持ちの家の出なのでイケメンでおしゃれに描かれているんですが、清原元輔のほうはちょっと貧相な表情にシンプルないでたち。

後に長く引いている裾も無地で、刀も笏も持ってません。

隣り合わせで2人を見比べるとちょっと元輔が気の毒になってしまうくらい。

 

三十六歌仙とは平安時代の歌の名手を36人選抜したものですが、当時の歌人って結構苦労してた人が多いんですよね。

当時は職業は家柄により決まっていて、元輔は代々地方役人を任ぜられる中流貴族の出身。
けっこう生活には困っていたみたいです。

歌人の中には同じような立場の人も多く、もっと良いポストにつけてほしいと上司に直談判したり、友だちと愚痴の言いあいをしていたみたいですよ。

(ちなみに、清原元輔は清少納言のお父さんです)

  

他にも、展示の中には国宝や重要文化財がたくさん。

昔、学校の教科書や資料集で見たことのあるようなあんなものやこんなものが展示されています。

たとえばこんなの。

180825-21.JPG与謝蕪村の奥の細道画巻。

ちょうど芭蕉さんと弟子の曽良が旅に出かける冒頭の部分が見られますよ。

180825-20.JPG▲昔覚えた奥の細道の冒頭部分。

「こんないろんな美術品を買い集めては、見せ合いっこしてニヤニヤ楽しんでたのかな〜、オタクのおふたりさん」なんて思いながら、わたしもニヤニヤ楽しませていただきました。

 

そんな数々の価値ある美術品の中でもちょっと何とも言えない展示だったのがこちら。

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豊臣秀吉の肖像画は世の中にたくさんありますが、これはそんな肖像画のお手本として使われていたもの。

 

ま、それはいいんですけど、問題は展示のされ方...。

180825-24.JPGこれ、左右に飾られているのは豊臣秀吉直筆の手紙なのですが、向かって右側が「おちゃちゃ宛」で左が「お祢宛」。

つまり、愛人と本妻の間に秀吉が挟まれている感じです。

なんか見てるほうがいたたまれない!

 

また、逸翁美術館おきまりのかわいいものコーナーもありましたよ。

180825-17.JPG長沢芦雪のわんころ図(降雪狗児図)や...

180825-16.JPG小林一三のお気に入りブランド・ローゼンタールの焼き物。

そしてかわいい茶器いろいろ。

180825-23.JPG180825-22.JPG▲エミール・ガレのだって。

180825-26.JPG▲手桶型の焼き物、ステキ!

 

展示室の一角には実際に一三と五島慶太が楽しんだ茶席のしつらえが再現されていました。

わたしが見せていただいた前期の展示は昭和22年に小林一三の家で開かれたお茶席の様子でしたが、後期には昭和25年の五島慶太が開いた茶会が再現されるそうですよ。

180825-06.JPG180825-27.JPG展示では濃茶の様子が再現されているのですけど、その続きの薄茶が美術館に併設のお茶室で、当時のしつらえで体験できるのですって!

お時間ある方は是非楽しんでみてくださいね。

※土日祝日のみの11:00~15:00。一服500円。

 

今回はぜひ解説付きで!

今回の『東西数寄者の審美眼』という展示、美術品を見るだけでももちろん楽しいのですけど、できれば解説を聞きながらの鑑賞をオススメします。

というのも、今回の展示は美術品そのものを見るというよりかは、小林一三と五島慶太の関わりを楽しむ展示。

お二人の関係ややりとり、展示されている作品の背景を知ったほうがより楽しめると思いますよ。

 

9月8日(土)と10月13日(土)の14時からは、学芸員さんの展示解説があります。

わたしもいつも、役得で内覧会におじゃまするときは学芸員さんの説明を聞きながら展示を拝見するのですが、今回は「尾形光琳の才能の無駄遣い」といったパワーワードも登場したりと、わたしのような素人にもとってもわかりやすい解説を聞くことができましたよ。

※尾形光琳は、自分でイラストを描いた紙をピクニックのお弁当包みにして、ランチ後は川に流しちゃうのですって...。

 

また今回は会期中2回、講演会が開催されます。

まず、9月15日(土)は、山梨大学名誉教授の齋藤康彦先生の講演会「小林逸翁と関東の茶界―高橋箒庵・根津青山・五島古経楼―」が。

10月7日(土)には、五島美術館副館長の名児耶明さんの「五島古経楼の眼」という講演会があります。

 

いずれも14時開始で聴講は無料。朝10時から配布される観覧券が必要です。(先着120名)

普段阪急沿線ではあまり聞くことの少ない、小林一三翁の関東での活躍なども知ることができそうですね。

茶の湯交遊録Ⅲ 『東西数寄者の審美眼』
"阪急"小林一三と"東急"五島慶太のコレクション

前期:2018年8月25日(土)~9月17日(月・祝)
後期:2018年9月19日(水)~10月14日(日)

逸翁美術館

●所在地:池田市栄元町12-27
●電話:072-751-865
●休館日:月曜日(ただし9月17日・24日、10月8日は開館、9月18日・25日、10月9日は休館)
●開館時間:10時~17時(入館は16時半まで)
●観覧料:一般800円 大・高生500円 中学生以下無料

※経路はgooglemapが選んだルートで、最適ルートと異なる場合があります。

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この記事へのコメント(4)

たまみか2018年8月31日 08:57

みちさん

こちらこそありがとうございます。
今後ともよろしくお願いします^^

みち2018年8月30日 14:48

ご回答、ありがとうございました。

たまみか2018年8月30日 09:13

みちさん

コメントありがとうございます。
ご指摘いただきました点ですが、あらためて記事を書く際参考にしたものを一通り見直してみたのですが証券会社で「働いた」という資料がなく…。
もしかすると、三井銀行退社後に取締役となる予定だった証券会社について、誤認して記事にしてしまったのかもしれません。
該当部分につきましては修正させていただきました。
ご指摘ありがとうございました。
また、丁寧に読んでいただきありがとうございます。

みち2018年8月29日 20:50

初めまして。m(__)m
ブログを読ませて頂きました。その中で、「銀行や証券会社で働き、」と書かれているところに興味を持ちました。
小林一三さんが、長年三井銀行に勤めていたのは、知っているのですが、証券会社で働いていたというのは、知りませんでした。
具体的には、どちらの証券会社にいらっしゃったのでしょうか?会社名を教えて頂いても宜しいでしょうか?

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