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昭和のインテリアの原点は百貨店にあった!逸翁美術館『百貨店で花開く ―阪急工美会と近代の美術家たち―』

181109-06.JPG▲中にかわいい金平糖とか入れたい!

 


阪急電車の生みの親、小林一三翁の蒐集品を中心としたさまざまな美術工芸品が収蔵されている池田にある逸翁美術館

年に数回、けっこうマニアックなテーマが定められた企画展が開催されているのですが、10月27日からは『百貨店で花開く―阪急工美会と近代の美術家たち―』という展示が始まっています。

今回もバーチャル駅長の役得で内覧会におじゃましてきましたので、特別に撮影させていただいた写真とともにご紹介します!

 

たまにデパートで美術工芸品の展示会が開催されているのをテレビのローカルニュースなどで見ることがありませんか?

有名な陶芸家や彫刻家さんの(くわしくはよくわからないけれど)すごく高そうで価値のありそうな作品の数々。

今までは「庶民のわたしにはあんまり関係ないかな~...」なんて思っていたのですが、実はわたしたちが育った昭和から続く家庭のインテリアのルーツはそんな百貨店での展示会にあったのかも、と思うような企画展でした。

最近はおしゃれインテリアといえば北欧スタイル一色ですが、そういえば子どものころの家ってどこもこんな雰囲気だったなあ、なんて懐かしい気持ちになりながら展示を拝見しました。

 

今レトロと思うインテリアは明治以降の工芸作家さんの新しい試みから生まれていた

181109-22.JPG前回の企画展から、約2か月ぶりに訪れた逸翁美術館

美術館の旗のカラーリングも秋冬仕様のものに変わっていました。
旗の折り目もまだまだきっちり残っていて、秋の青空に映えてすがすがしい気分!

※前回の企画展はこちら。
東西鉄道界両巨頭のオタク対決!逸翁美術館『東西数寄者の審美眼』
現在は東急の五島美術館で開催されています。

 

181109-01.JPG

パティオのモミジはまだまだ青々としていましたが、太陽がだいぶ低い位置にあるのか陽の光が差し込まず夏とは違った趣き。
季節の移り変わりを感じますね。

この写真を撮った日から2週間たっているので、もしかするともうだいぶ紅葉も進んでるのかな?

 

181109-07.JPG今回の『百貨店で花開く ―阪急工美会と近代の美術家たち―』という企画展は、明治から東京・大阪などの百貨店で開催されていた美術品・工芸品の展覧会についての展示。

 

正直なところ、「デパートの展覧会をテーマにした展示ってどこにおもしろみがあるのかな...?」と、展示を見る前はその内容がさっぱり想像できなかったのですが、担当の学芸員さんの解説を聞きながら実際に展示を見てまわってみると実はとっても興味深いテーマ!

″百貨店の美術展覧会=一部のお金持ちのみなさんだけの楽しみ"といったイメージとは真逆の、日常の生活に関わりのあるアートについての展示でした。

 

181109-10.JPG

▲コンパクトな床の間でしたら中央のミニサイズの掛け軸や短冊などいかがでしょう?

明治維新後、それまでの武家中心の封建的な世界からガラリと変わり、新しく現れたのが中間層の人たち。

ただ、生活が少し豊かになったものの、代々続く武家のような文化的な素養もないので、例えば人をもてなすときにどんな風に部屋を飾ればいいのかといったことがピンとこなかったのですって。

そんなときに「こんな美術品で部屋を飾ってはどうですか」と提案したのが高島屋や三越といった百貨店。

骨董品のような古くて価値や価格が定まらない一般の人が買いにくいものではなく、同時代の作家と百貨店が直接取引をして普通の人でも手の届く価格の、けどちょっといいものを展覧会で紹介していたんだそうです。

ちょうど当時は国内外の博覧会で日本の美術工芸品の人気が高まっていた時期。

それまでは武家など一部の層向けに刀剣や調度品を作っていた作家さんたちが、その技術を生かして新しい作品を生み出していた時代でもあります。

生きている美術工芸品作家の作品を百貨店があいだに入って一般家庭へ提供することにより、インテリアやアートの新たな流行が生み出されていったんですって。おもしろいですね。

 

181109-16.JPG▲一番手前はバーナードリーチ、奥は河井寛次郎。他にも濱田庄司の作品もあったよ。

高島屋や三越から少し遅れて、阪急百貨店が開店した昭和4年(1929年)はちょうど民芸運動が盛んだった時期。

今回の展示には民芸運動に関わっていた作家さんたちの作品も多くありました。

 

展示の中にはこんなものも。

181109-05.JPG『阪急美術』という雑誌。
装丁はこれまた民芸運動に参加していた芹沢銈介によるもの。

『阪急美術』の装丁は他にも小磯良平や棟方志功なんていう豪華メンバーも手掛けていたそうですよ。

 

181109-15.JPG『阪急美術』の中には、美術工芸品を使ったインテリアコーディネート例なんかも紹介されています。

今回の企画展では2枚の写真が展示されていたのですが、どちらも「あ~、昭和の人が思い描いていたおしゃれな家ってこんな感じだったな~!」なんて思わせるもの。
朝ドラなんかに出てくる昭和の室内セットみたいな雰囲気もあったり。

 

181109-14.JPG▲小林一三はなぜか河井寛次郎の作品を多く集めてたんですって。

ただ、展示室でその写真を見ながら「この感じ、なんか見たことあるぞ...」としばらく考えていたのですが、思い当たったのは「これってIKEAのカタログやん!」ということでした。

おしゃれなものを適正価格で購入して普段の生活を豊かにする、そういう提案に民芸品ってぴったりだったのかな。
(IKEAとはお値段も品質もだいぶ違うかもですが...)

 

民芸運動の作家さんたちの作品のお向かいには、民芸運動には反対していた北大路魯山人の作品もいくつか展示されていましたよ。

小林一三は魯山人の陶芸の才能を買っていたそうで、手元にあった欠けた中国製の香合の修理を依頼したところ、きれいに修理された上に精巧なレプリカまで作って戻されたのだとか。

181109-13.JPG▲奥が本物、手前がレプリカ。すごいけどちょっとめんどくさい人やな、と思ってしまいますよね...。

魯山人は、宝塚線の曽根駅前に星丘茶寮という料亭を作ったり、萩の寺として有名な東光院にも出入りしていたりと、阪急沿線には縁のある人だったりするんですよね。

 

もうひとり、小林一三との関わりで、学芸員さんの解説を聞きながらおもしろいな、と思ったのは三砂良哉(みさごりょうさい)という漆芸家さん。

この人は小林一三のいわゆるおかかえ作家さん。

そのため大きな展覧会などにあまり出品したりしておらず、その高い技量に関わらず、一般的には名前が広く知られていないのですって。

 

181109-17.JPG三砂良哉が「あなたのお誕生日に浜辺でひろったんです」と貝殻の内側に蒔絵をほどこして小林一三にプレゼントしたり、一三が自作の宝塚歌劇の音楽の譜面を描いたちょっと奇抜ななつめを良哉に作らせてお茶会に出したらお客さんにはいまいちうけずにしょぼんとしたり。

展示の説明書きにあるそんなエピソードを読みながら、ふたりの間にある独特の関係性を感じたりしました。

三砂良哉にとっては、名声を得ることより、一三と作りたいものを作る方が良かったのかしら。
もちろん、それなりの対価は得ていたんでしょうけど...。

 

生活の中にある工芸品は果たして後世に残っていくアートなのか否か

181109-04.JPG▲ほらほら、カゴ好きさんいらっしゃい!

今回の展示作品は、華やかなものは少なく、一般家庭で使えるようなものばかりなのでどちらかというとちょっと地味め。

ですが、そんな日用品のようなものの中にも作家さんがこだわりぬいた美を感じられるんですよね。

 

181109-18.JPG押し入れにしまい込んである古い結婚式の引き出物の中にありそうなものもあったりして...。

181109-21.JPGこれ(↑)とか、古いお宅に普通にありそうじゃないですか?

 

こういった工芸品とよばれるものを大事に美術品としてしまいこんでしまうか、それとも気にせず日常的に使うか。

でもちょっといいものをと百貨店で買った本人なら大切にするかもしれませんが、その作品の由来をしらない世代は、もしかすると今のインテリアやライフスタイルに合わないからと簡単に処分してしまうかもしれないですよね。

それは工芸品の宿命なのかなあ。それにしても、もったいない気もする...。

181109-19.JPG▲この茶たく、金属っぽく見えるけど漆塗りの木製なんだって...!
けどなかなか最近茶たくって使うことないよねえ...。

181109-20.JPG▲この素朴に見えて手が込んでそうな茶器。
実はこれも、焼き物に見えますが木に漆を塗って作ってあるんですよ...。

 

地味なだけじゃなくかわいいのもあったよ

ちょっとしんみりしちゃいましたが、今回のちょっと地味めの展示の中にも、いつもの逸翁美術館ならではのかわいいものもいろいろありましたよ!

181109-09.JPG

181109-11.JPG

思わず箕面に紅葉狩りに出かけたくなってしまいそうなお猿さんの掛け軸やぷっくりした質感がかわいい小物入れ(香合とも言う...)。

 

181109-08.JPGそれにモフモフしたくなるウサギさん!

 

個人的に、家に欲しい! と思ったのはこれ。

181109-12.JPG蛤型の小皿は大きさといい、色味や質感といいお気に入りになりそう。
買ったらいくらくらいするんだろ...。

 

今回の企画展、百貨店の美術展示がもともと果たしていた役割を知ることができてとても興味深かったです。

とはいえ、「なるほど、じゃあうめはんの美術品フロアに行ってみよう!」とはなかなかいきませんが、百貨店が日本人の暮らしに与えた影響ってほんといろいろあるんだなあと改めて思いました。

 

そのあたりのお話も聞けるんでしょうか、今回の講演会は『花開く百貨店文化―大大阪時代のデパートと美術発信―』というタイトル。
ちょっと聞いてみたい...。

ご都合つく方は是非!

講演会:花開く百貨店文化―大大阪時代のデパートと美術発信―

日時  11月24日(土)午後2時
講師  大阪大学教授 社学共創本部/総合学術博物館・大学院文学研究科兼任 橋爪節也氏
※聴講無料、要観覧券。午前10時より座席券配布(先着120名)

 

また、12月1日(土)の14時からは恒例の学芸員さんによる解説もありますよ。

今回の解説も「へ~!」の連続。

こちらも無料で聞くことができますのでぜひぜひ!

百貨店で花開く
―阪急工美会と近代の美術家たち―

期間:2018年10月27日(土)~12月9日(日)

逸翁美術館

●所在地:池田市栄元町12-27
●電話:072-751-865
●休館日:月曜日
●開館時間:10時~17時(入館は16時半まで)
●観覧料:一般700円 大・高生500円 中学生以下無料 シニア(65歳以上)500円

※経路はgooglemapが選んだルートで、最適ルートと異なる場合があります。

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