大山崎で排水ポンプと斜面を改良
排水能力を約2倍にし、
斜面も保護
ゲリラ豪雨に備えて
軌道の安全を強化
大山崎駅から京都方面へ400メートルほど進んだ所に、谷になっている箇所があります。かねてより軌道内に排水ポンプを設置して線路冠水に備えていましたが、近年、相次いで起こるゲリラ豪雨や大型台風に対して、備えをより万全なものとするべく、2つの改良工事を行いました。
1つは、軌道内の排水ポンプの数を2台から4台に倍増するというもので、1時間に107ミリの雨量まで対応可能になりました。ポンプに設置されたセンサーが感知して、水量に応じて必要な数のポンプだけを動かすほか、冠水したときのため、関係各所への報知システムも設置しました。もう1つは、山側斜面の補強工事です。現場は傾斜がきつく、万一に備え、コンクリートで固めました。2013年9月に排水ポンプ工事が、11月に斜面補強工事が完了しており、大雨でも安全に運行できるよう、努めています。
排水ポンプを2本から4本に増強。能力が2倍に高まりました。斜面は整地してコンクリートで保護しています。
軌道の下に水槽があり、センサーが感知して排水ポンプが作動。雨水は水管橋から河川へと流れ出ます。
軌道内の安全を確保するための改良工事
排水能力をアップして雨に強い鉄道を目指しました
排水ポンプが設置された場所は雨水がたまりやすい地形ですので、近年の集中豪雨や威力の強い台風に備え対策が求められていました。今回の改良工事は、線路の冠水や斜面崩壊の危険を回避するもので、鉄道運行において、より一層、安全性を高めようと実施されました。排水能力を倍増し、斜面にコンクリートを吹き付けて固めるなど、設備と土木、両面からの強化となりました。
4月~台風シーズンまでの限られた工期の中で、様々な部署のメンバーが一丸となって努力した甲斐あって、台風シーズンに間に合わせることができました。また近隣の皆様のご理解のおかげもあり、無事に完成いたしました。感謝しております。
ポンプや排水管の点検は年に2回行い、今後も安全性を確保し、お客様に安心して利用していただけるよう、引き続き見守っていきたいと思っています。

阪急設計コンサルタント(株)
第二建築部
田村知也