洛西口駅付近連続立体交差化工事の構造物初回検査
土木構造物の維持管理
お客様に安心していただき、お客様と沿線にお住まいの方々の将来にわたる安全確保を目的として、阪急電鉄では、各種構造物の状態を把握するために定期的に検査し維持管理を行っています。
今回は、維持管理における検査の一つとして、高架橋の改築・取替えなどの完成時期に、構造物の初期状態を把握することを目的とした初回検査についてお話させていただきます。
初回検査は、新設構造物の健全性を確認する検査として、目視検査と特殊な機械によるかぶり検査を実施しています。
目視検査は、構造物に近づいて許容値を超えるひびわれや欠陥が発生していないかを確認するために行うものです。
かぶり検査は、鉄筋の設置位置が浅い場合に、将来鉄筋の腐食によりコンクリートがはく落する可能性が高くなるため、鉄筋の位置が適切に設置されているかを確認する検査です。
これらの検査は、通常、お客様や沿線住民の方々の目に触れるような機会はありませんが、構造物の長寿命化を図るうえで、重要な役割を担っているため、責任は重大であり、失敗は許されません。欠陥が確認された場合は、速やかに補修などの対策も行っています。今後も引き続き、お客様に安心してご利用いただける鉄道として安全を第一に考えながら、検査に努めてまいります。
目視検査は、構造物に近づいて検査することにより精度の高い検査を実施しています。
かぶり検査は、コンクリートを壊さずに検査可能な鉄筋探査機を使用しています。
衝撃振動試験は、構造物の天端に重錘を使用して衝撃を与えて計測器にて構造物の固有振動数、振動モードを計測する現地非破壊試験法です。
綿密な検査計画
今回、洛西口駅付近連続立体交差化工事の構造物初回検査(衝撃振動試験含む)の担当をすることになり、検査スケジュールや各現場における作業方法の協議を現場担当者と行い、衝撃振動試験については、現場の状況に合わせて計器の設置及び重錘の打撃位置を調整し検査を行いました。各工区の現場担当者にご協力いただき、安全かつ適確な検査を終えることができて感謝しております。
現在、構造物のメンテナンスが注目されている中で、今後もメンテナンスの仕事に使命感・責任感を常に持ちながら、取り組んでいきたいと考えております。
※ 記載の内容は、2017年3月時点での情報です。

阪急設計コンサルタント(株)
都市土木部
岡中 浩平